『逃れられない』
私はとある人物との関係を切った。
少々やり過ぎかと思ったが、これまでされてきた事を考えれば差程やり過ぎとは言わないだろう、
そう考え結論付けた。
とは言え、多少寂しさもある事にはある。
とある人物との思い出の物を捨てながら、しんみりとした空気を味わった
しかし、心の底から湧き上がって来る感情は誤魔化せないものだ。やはり寂しい、
…いや、ダメだこの感情は捨ててしまわないと、友人からも「二度と関係を持ち直すな」と言われたのだから。
そんな感情を心に持ちながら、約2週間ちょっとが経った。
私は、日課になっていた花への水やりをしていると
「ピンポーン」
インターホンが鳴った。
「何だ?」
そう思い、ドアアイを覗いてみる。
驚いた。
扉の前には関係を切った筈のとある人物…「彼」が立って居たのだ。
…嬉しい、今までに無い高揚感が身体中足のつま先から頭の頂点まで稲妻のように駆け巡る。
私は咄嗟に扉を開けてしまう、これがダメだと言うのに。
扉を開けた瞬間、「彼」はがっつく様に扉の隙間に手を引っ掛けてきた。
そこから、グイッと勢い良く扉を開いて部屋の中へと入って来たのだ。
私はそれを少しの惑いも無く受け入れてしまう、でも良いのだ、私は「彼」の事がまだ、今も好きなのだから。
結局また、「彼」から、
『逃れられない』
ままだ。
『逃れられない』
依存していますね、この語り手さん、ᵔᢦᵔ
ちなみにドアアイとは、玄関等の扉についてる覗き穴の事ですよ。
そうそう、語り手さんは一人称が「私」なだけですので、もしかしたら男の可能性もあるかもしれませんね。
お読みいただきありがとうございます。
『理想の貴方』
理想の貴方を得る為に、
お金を沢山使いました。
理想の貴方を得る為に、
美容にお金を使いました。
理想の貴方を得る為に、
健康にお金を使いました。
理想の貴方を得る為に、
ダイエットにお金を使いました。
理想の貴方を得る為に、
整形にお金を使いました。
理想の貴方を得る為に、
友人を捨てました。
理想の貴方を得る為に、
家族との縁を切りました。
理想の貴方を得る為に、
どれだけの「何か」を犠牲にしましたか?
それ等を犠牲にするくらいに理想の貴方が欲しかったのですか?
それは本当に理想に近付ける行為なのですか?
理想に近付く努力をするのは素晴らしいと思います。
ですが、その過程で「本当に要る物」を捨てないようにしてくださいね?
時には理想が貴方の首を締めることにもなりますし…
理想の追いすぎには御注意を、完璧な理想になれなくても、貴方を愛してくれる人は沢山居ます。
それでは、良き「理想」のライフを。
『理想の貴方』
友達が行方不明になった。
それは突然の出来事だった、つい数日前までは馬鹿を言えるくらいに悩みも何も無さそうに見えた友達が、
消えた。消えたのだ。
どうして? わかるはずがない。
さようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようならさようなら
『真夜中』
私は「真夜中」が好きだ。
普段朝や昼、夕方には見られない物を見る事が出来る。
今日もベランダから夜空を見上げてみる。
「…ん?何だ、あれ。」
見上げてみた夜空のその先には、何か変な物が混ざっていた。もしもの為に、買っておいた望遠鏡を持って来て、覗いてみる。
…見えない、それもそのはず、それは星でも月でもない何かなのだから。
それじゃあ何なのだろう?気になった私は、スマホを手に取り、素早くカメラを起動する。
幸い、私のスマホは最新で機能が良い、試しにその「変な物」を拡大して見てみる。
「なんてこった…小さい隕石じゃないか…」
なんとそれは小さな隕石だった。
それを見た私は…
「っていうお話でした!どう?何か思った事ってあったりする?」
「おま…『真夜中』にする話じゃねぇだろ…」
「えっへへwだってお前の反応面白いんだもんw」
「ふっざけんなマジ…」
「…ねぇねぇ、ちょっとベランダ出てみね?」
「はぁッ!?嫌だわ馬鹿野郎!お前一人で行ってこい!」
「酷いなぁ…え、もしかして怖いん?」
「怖くねぇわ!!おらさっさと行くぞクソ!」
「うぇーいwお前やっぱサイコーw」
「…やっぱ何もねぇじゃねぇかよ」
「えぇ〜…ないかぁ…つまんなー」
「なんもないのが1番だろ馬鹿野郎」
「うはw確かにそれもそうだわ」
「だろぉ?…」
「だなぁ…」
「…ねぇ少し肝が冷える事言っても良い?」
「は?お前それで俺寝れなくなったら恨むからな…ってか大体そういう事『真夜中』に言う事じゃねぇって言って…」
「大丈夫だって〜wwも〜、怖がりだなぁお前w」
「んで、何?」
「えっとね…」
彼処に浮かんでる変なヤツってさ、何?
『真夜中』
でもあんまり真夜中関係無い気がしますね。