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『逃れられない』


私はとある人物との関係を切った。

少々やり過ぎかと思ったが、これまでされてきた事を考えれば差程やり過ぎとは言わないだろう、
そう考え結論付けた。

とは言え、多少寂しさもある事にはある。
とある人物との思い出の物を捨てながら、しんみりとした空気を味わった

しかし、心の底から湧き上がって来る感情は誤魔化せないものだ。やはり寂しい、



…いや、ダメだこの感情は捨ててしまわないと、友人からも「二度と関係を持ち直すな」と言われたのだから。

そんな感情を心に持ちながら、約2週間ちょっとが経った。

私は、日課になっていた花への水やりをしていると


「ピンポーン」


インターホンが鳴った。
「何だ?」
そう思い、ドアアイを覗いてみる。

驚いた。

扉の前には関係を切った筈のとある人物…「彼」が立って居たのだ。




…嬉しい、今までに無い高揚感が身体中足のつま先から頭の頂点まで稲妻のように駆け巡る。

私は咄嗟に扉を開けてしまう、これがダメだと言うのに。

扉を開けた瞬間、「彼」はがっつく様に扉の隙間に手を引っ掛けてきた。

そこから、グイッと勢い良く扉を開いて部屋の中へと入って来たのだ。

私はそれを少しの惑いも無く受け入れてしまう、でも良いのだ、私は「彼」の事がまだ、今も好きなのだから。



結局また、「彼」から、

『逃れられない』

ままだ。








『逃れられない』

依存していますね、この語り手さん、ᵔᢦᵔ

ちなみにドアアイとは、玄関等の扉についてる覗き穴の事ですよ。

そうそう、語り手さんは一人称が「私」なだけですので、もしかしたら男の可能性もあるかもしれませんね。


お読みいただきありがとうございます。

5/23/2024, 9:52:49 PM