寄せては返す波の残滓。
吹き鳴らせば開戦を告げる笛の音が木霊するかもしれない。
wip……?
「no titile」
貝殻
ほんの一瞬、瞬きの間。意識が途切れる感覚がした。一面に広がる薄藤が、月明かりを受けて輝いている。心地よい花の香りは途切れることなく漂う。
辺りを見回すが人はおろか、生命の気配が全く見当たらない。咲き乱れる枝垂れ藤だけが息をしているのか。朧気に照らされる橋へと足を進めることにした。
「……誰かいる?」
長い橋の終わりが近付くにつれて、何かの気配が強くなる。どうやら花を愛でているみたいで、こちらに気付く素振りはない。
Title「秘密のお茶会」※作成途中
Theme「刹那」
食べてる姿を見つめていると、不思議そうな顔で見つめ返された。
「?」
彼女の名前はフローリア。テラの大地を駆け回るトランスポーターで、私もたまに見かけていた。前職はともかく、転職した今は、時折昼食を一緒にする仲だ。
特に話したりはしないが、一緒にいるだけで落ち着く。好奇の目で見られることも、プライベートなことも探られない。
「ん、ごちそうさまでした。後でお姉ちゃんにお礼言わないと」
「あぁ……そうだな」
兄夫婦を探す傍ら、新たな楽しみを見つけることができた。美味しい食べてる姿の、なんて可愛らしいことか。
「なるほど、汝は星読みの……」
夜空を分け与えられた瞳を見て、クラウスは納得した。静かな会場に、ヘレナは困惑しながらも、彼と天体観測に勤しむことにした。
吉行へ
君のことだから、きっと上手くやれているはずだ。
君に出会う前の朧気な記憶を、思い出すことができた。そう、全てだ。私は古き人類として、同胞たちと滅びゆく文明をどうにかして存続させようとしていた。人類が歴史を後世に残すように、滅びの後でやり直せることを信じて、私は長き眠りについた。
しかし、この試みはうまく行かなかった。大地は新たな名で呼ばれ、動物の特徴を併せ持つヒトが異なる文明を創り上げていた。
旧き同胞たちか、今を生きる仲間たちか。
私の選択が正しいのかはわからない。
実現のために、途方もなく長い時間と数えきれないほどの犠牲を費やしてきた。
今更引き返すなんて、できるだろうか?
悲しいことに、孤独に効く特効薬は存在し得ない。しかし、君は瀕死の私を守り抜き、私の選択を尊重すると話してくれたね。
今の私は君たち男士の主だ。
罪と向き合い、君たちのために1日でも長く生きてみせるさ。
最後になったが、君の帰りを楽しみにしているよ。
本丸で会おう。
『修行中の主からの手紙 3通目』