道草

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2/26/2023, 7:18:15 AM

ゆっくりでいいんだよ、と
君は言ってくれる
だけどこの時間軸を生きているのは
きっと僕だけだ
みんな別の軸の上にいる
もっと急がなければ
君に追いつけない
だから焦るんだ
とっても焦ってる


(物憂げな空)

2/23/2023, 1:59:15 AM

畳の匂いが好きだった
使い込まれて黒光りしてる床板も好きだった
大きな掛け時計が一秒一秒を大袈裟に刻んで
たまに重めの音で時を知らせた
開け放たれたサッシから
夏の風は入ってくる
軒先の風鈴をチリンと鳴らして入ってきて
同じく開け放たれた勝手口のドアから
レースののれんを揺らして出ていった
また来るねとも言わずに

(夏の記憶)

2/19/2023, 5:49:23 AM

壊れたものは元には戻らないから
壊さないよにするのがいちばんだけど
それは不可能なことだ
何年も生きてみて
そんな答えしか出てこない

冬の終わりに絶望的なことを考えて
春に救ってもらおうとしてる
姑息なやり方でも花が咲けば
それでもいいと思ってる
僕の心は醜かった

君はずっと花だったよ
水色の花びらで息をしていた
哀しみを吸い込んでも哀しみにしかならない
だから喜びだけを吸い込めばいいって
そう言ってた


(今日にさよなら)


 

2/18/2023, 2:00:30 AM

決断する
そのために
模索する
そのために
情報を集めて
現実を直視する
だけどときどき夢をみる
ぜんぶ捨てて
空っぽになって
もう何もいらないよ
そう言うと、朝が来た
夜も来た
おはよう
おやすみ
サヨナラ
初めまして
その手紙は
十年後からやって来た



(十年後の私からの手紙)

2/12/2023, 2:04:14 AM

きのう月がいた場所に
今は太陽がいる
ふたつが見下ろすものは大体同じ
街。ビル。車。。。
月は夜に輝く街を見てる
じゃあ太陽は昼に何を見てる
眩しい光にさらされて
空を仰ぐ人間たちの
複雑な喜びや
単純な哀しみを見てる

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