道草

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1/30/2023, 1:15:26 PM

きみが僕に与えてくれるものは
計り知れない
だけどきみは神様ではない
浮かれたり落ち込んだりと
毎日忙しい小さなひとりの人
だから僕はきみを崇めたりしない
きみと目線を同じにして
きみの考えてることに耳を澄ます
聞こえてくるものは夢ではなく
悪夢でもなく
飾りのない本当の現実


「あなたに届けたい」

1/28/2023, 1:38:26 AM

結露して磨りガラスのようになった
窓の外が青く染まっている
間違いなく晴れている
それも雲ひとつない完璧な空
起きたらすでに10時を回っていて
世界もすでに回っていた
とりあえず僕の
今いる位置を確認する
間違いなく自分の部屋
丸くなった猫の背中が
その証し
君がいることで
僕の世界は定まる
リセット完了


「優しさ」

1/27/2023, 9:50:33 AM

誰かに会いにいく真夜中に
冬の星は密かに僕を讃える
だから僕は歩いて歩いて
次第にスピードを上げることができる
冷たかった感覚が少しずつ温まって
指先も足先もじんわりとしてくる
僕の周りは一面の静寂で
追い越していく車に
ときどき二分されるけれど
しばらくするとまた
ぴったりと合わさる
一面の静寂
空を飛ぶものも今はいない
鳥も飛行機も巣穴に帰ってしまった
誰のものでもなくなった空に
ぽっかりと浮かんでいる
僕は君に会いたかった


「ミッドナイト」
 

1/25/2023, 3:57:11 AM

夏の暑さは苦手
だけど夏の光は好き
匂いも好き
秋の匂いも、冬の匂いも好き
春はそんなに好きではない
それでも
強い風に舞い上がる桜の写真を撮る
ファインダー越し
精一杯のはなむけの言葉

 
「逆光」

1/19/2023, 9:41:20 AM

予期せぬ旅から帰ってきた君は
いかにも凛々しくて
忘れ去られていた野性で
じっと僕を見ている君はもう
かつての飼い慣らされた猫ではなくて
まるでどこか遠くの森で
蝶や鳥を追いかける美しい生命で
それが君の本当の姿なんだと
そう気づいたら
僕はやっぱり
君の下僕にしかなれない

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