道草

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誰かに会いにいく真夜中に
冬の星は密かに僕を讃える
だから僕は歩いて歩いて
次第にスピードを上げることができる
冷たかった感覚が少しずつ温まって
指先も足先もじんわりとしてくる
僕の周りは一面の静寂で
追い越していく車に
ときどき二分されるけれど
しばらくするとまた
ぴったりと合わさる
一面の静寂
空を飛ぶものも今はいない
鳥も飛行機も巣穴に帰ってしまった
誰のものでもなくなった空に
ぽっかりと浮かんでいる
僕は君に会いたかった


「ミッドナイト」
 

1/27/2023, 9:50:33 AM