道草

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9/27/2022, 8:14:17 AM

吹き抜ける風の中に 時々秋が見える
昨日より低い軌道で巡る太陽
疲れた街路樹の薄い影が揺れてる
これといった思い出もないまま
季節は閉じていこうとしてる
蝉しぐれも 風鈴の音までも
全部引き連れて
何かで一杯になった小さな箱だけが
疑問符のように残される

9/25/2022, 11:14:09 PM

昨日の空気は澄んでいて
町の輪郭がはっきりとしていた
そこには何の間違いもなかった
夏の間、僕らはずっと
隙間だらけの空気の中に紛れていたけれど
昨日はもうだめだった
凛とした町並みに
僕らは向かい合うことしかできなかった
その景色に圧倒されながら
それが発する密かな声を聞こうとしていた
夏は突然、秋に変わったのだ

9/25/2022, 12:45:19 AM

浅い付き合いの中でふと気づく時がある
何となくこの人とは気が合うのだろうと
そして多分、相手も
そんな気がしてるんじゃないかと
根拠のない自信に支えられた
ただただストレートな感覚
理由はなく説明もできない
慎重に選んだ言葉をさらに抑えて伝え合い
長めに距離を保ったままで
淡いやり取りはつづく
壊さないように、外さないように
それぞれがビビりまくりながら
もどかしい糸の上でバランスを取って
見えない底の方で通じ合う
細かな編み目をつなげ
失速寸前のスピードで
ようやく広がりだす内気な世界

9/24/2022, 3:17:40 AM

ジャングルジムから見渡していた世界は
あれからどんどん高くなっていって
新しさと機能性を競い合うビル群に
僕はいつの間にか取り囲まれた
今は見上げてばかりの
コンクリートの隙間の空に
月や星やなんかを見つけると
歓喜するんだ
先日の満月の時の
君のリアクションが正にそれで
僕はなんだかうれしかった
僕らには何の共通点もないと
ずっと思っていたから

9/20/2022, 11:29:03 PM

短い影が追いかけてきて
足元に絡みつく
振りはらっても
無しにしたくても
影は消えてはくれないから
思い切ってつまみ上げて
懐に突っ込んだ
日常をサボって抜け出した日は
町中のベランダで洗濯物がはためいてる
久しぶりの太陽光線に
表も裏もきれいにさらされ
いつもの道はカラフルに揺れ動く

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