0からのスタート。
ここからが私の第2の人生だ。
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何もかも、嫌いだった。
特に、何でもかんでも理由をつけて何かを分類する人間達は嫌いだった。
社会に貢献してる人間は偉い人。
犯罪を犯す人間は、悪い人。
間違っては無いかもしれない。
けれど、私はこういう独断と偏見で、人の事を決めつける人間が嫌いだった。
私だって、世間一般的には偉い、と言われる人達から見たら、邪魔な存在なのかもしれない。
複雑な環境の中で育った私には、戸籍がなかった。
元は、優しい両親の元で世間一般の普通の家庭で育つ予定だった。
だが、父親は信号無視の車に轢き逃げをされ、緊急で搬送されるも他界。
母親も二人目の出産で脳の血管が切れ、二人目と共に他界。
母片の肺癌の祖父と胃癌の祖母に引き取られるも、二人ともステージ4の末期癌。
そして、私は7歳の頃に誘拐され、犯人に地元とは程遠い県の孤児院に捨てられ、私が戻ってきた頃には二人とも他界していた。
そんな環境で育ってきて、当然戸籍など手に入れられる筈がなく、警察に一時保護をしてもらい、今は親戚のお兄さんの家で暮らしている。
「お兄さん、食器洗っておくね」
「あぁ、ありがとう、みのり」
ここに来てからすぐに名前をつけてもらった。
10月生まれの私に10月は実りの秋だから、みのりなんだって。
付けてもらった時に、安易すぎてちょっと笑っちゃったよね。
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これでおしまいっ!
思いつきませんでした。
同情されることが大嫌いだ。
可哀想だね、って、同情ばかりしてくる
だから僕は…呪ってしまったんだ。
僕に同情の言葉をかける奴らを……昔、祖父から聞いたんだ。
僕の住んでるこの村には、山猫神というものが存在しており、可哀想なに人や物には救いの手を差し伸べてくれるのだとか。
だから僕は山猫神に助けを求めた
シャリ、シャリ
と歩を進めれば進める程に枯葉を踏み潰す音がする。
なんだか、シャーベットを食べた時の音みたいだ。
秋なのに、夏を感じた。
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「枯葉って、ポっきん食べた時みたいな音するよな。」
下らない、なんて思ってしまったけれど、私も思っていることは同じだ。
「せやね、確かに、ポっきん食べた時みたいな音やわ。」
ここの所、こんな会話が多いのだ。日常的で平和な会話。
烏滸がましいことはわかっているけれど、私はもっと彼と色んな話をしたい。
勉強の事、部活の事、なんでもかんでも。
私は彼を知りたい。
日々の積み重ねがいつか、爆発してしまうのは当たり前の事だ。
爆発した感情を誰かにぶつけなければ正解、ぶつければ不正解。
そんな、理論を彼にぶつけた。
「そんな事、考えるよりもみのりは自分の幸せを優先して?」
彼は今日も私の幸せを優先する。
そんな彼に私は惚れてる。どうしようもないほど。
「ねぇ、たくみ?」
「どうしたの?」
「たくみは、彼女とかいるの?」
心臓の音が鳴り止まない。彼に、恋人がいたらどうしよう、と不安になりながらも気になってることを聞く。
「居ないよ?それがどうしたの?」
「ううん、何でもないよ、ちなみに私も居ない。」
「聞いてないし笑」
彼の優しく微笑んだ顔が好き。仏みたいな優しい顔だ。
突然思いついた小説