NoName

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1/24/2023, 10:23:07 AM

「これ、落としたよ。」
背後から突然男性の声が聞こえ、瞬時に振りかえる。

真夏の昼下がり。眩しさのあまり、手のひらで視界を遮る。

「あ、すみません。助かりました。」
まともに顔が見れない申し訳なさを感じながら、差し出された定期入れを空いている方の手で受け取る。

それでは、と頭を下げてまたもとの方向へ歩き出した。

あれ、そういえば聞き覚えのある声だったような。

ふと、立ち止まり振り返るが彼はもういない。

その声は、5年前に亡くなったおじいちゃんの声に似ていた。

1/23/2023, 12:28:32 PM

こんな夢をみた。

蔓が延々と伸びている、暗い森の中を裸足でひたすらに歩いていた。

10分経ったか、1時間経ったか。

ひたすら、ひたすら歩いていた。

何かを探していたのか、それとも何かから逃げていたのか。

わからないまま歩き続けた先に白い小さな家があった。

現実ではとても見かけないような、真っ赤なドア。小さな窓。

窓の向こうでは何かが蠢いている。

(覗いてはいけない)

本能がそう囁いていた。

そういえば、いつか読んだ本にそういう話があったな。

きっと覗いた瞬間に夢が醒めるのだろう。

窓の中をそおっと覗く。

夢は醒めない。

あれ、なんだかデジャヴ…?



こんな夢をみた。


蔓が延々と伸びている、暗い森の中を裸足でひたすらに歩いていた。

10分経ったか、1時間経ったか。

ひたすら、ひたすら歩いていた。