お母さんの、あの穏やかで優しい笑顔。
今、元気にしてるかな。
私は元気いっぱいに頑張ってるよ。
都会は、まだ不慣れなことが多いけど、
何とか生きています。
もう少ししたら、そっちに帰るね。
〜空を見上げて心に浮かんだこと〜
「ね、全部終わりにしよう、○○」
「は?どういうことだよ、△△」
「そのままの意味だよ。君も一緒に死ぬんだ!」
「な、なんで……なんで俺まで!!」
「大好きだから。君のことが大好きだから。僕たちは小さい頃からずっと一緒。小中高も。高校の時、君と恋人にれて本当に幸せだった。でも……でも僕の余命は残りわずかなんだよ!!」
「っ……まず刃物を下ろせ!ゆっくり話し合おう、な?」
「そうしたら君は逃げる!ひとりで消えるのは……怖いよ……僕のわがままなのは分かってる。でもこれが最期のお願い。ずっと一緒だよ、○○」
――翌日、○○と△△は、△△の部屋で二人抱き合って眠っていた。
片方は穏やかな顔をしており、もう片方は恐怖に怯えたような顔をしていた。
二人はずっと目覚めることはなかった。
〜終わりにしよう〜
みんな仲良しになればいいのに。
互いに手を取り合って、助け合う。
そんな世界になればいいのに。
〜手を取り合って〜
私だけが、あの人をとてもとても愛しているという優越感。
でも、
周りを見てみれば、
私は、これっぽっちしか愛していないのかという劣等感。
〜優越感、劣等感〜
俺は、これまでずっと隠してきた。
ほんとは、女じゃないんだって。
生まれ持った身体は男。
でも、心は女。
フリルの着いた服や、可愛いコスメが大好き。
だから、ほんの少し、いや、ほんのちょっとの出来心で、女装をしてみた。
鏡の中の自分は、全然違った。
まるで魔法がかかったかのように、キラキラと輝いて見えた。
だから俺は、いつの間にかハマってしまった。
女装をしている自分の姿を見ることに。
でも、そんな夢もいつかは解けるんだろうなぁ……
〜これまでずっと〜