頑張って生きる一般人さん。

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4/7/2023, 3:04:35 PM

ざざーん、ざざーん……

波が押し寄せては引いていく。

私は裸足で誰もいない砂浜を歩く。

真っ赤になっている夕日は、自分の影を伸ばしていく。
長く、長く伸ばしていく。

ちゃぷ、

私の足元まで、波がやってきた。

烏さんもそろそろ帰る頃。
カァカァと遠くで鳴いている。

真っ赤な夕日も海に溶け込む頃。

私もそろそろ帰らなきゃ。

今日の夕飯はなんだろな。
大好きなハンバーグならいいな。

〜沈む夕日〜

4/6/2023, 3:07:24 PM

君の目を見つめると
なんだか異空間に来た雰囲気になる。

だって君は
新たな島へ冒険しに行く人のように
いつもキラキラ瞳を輝かせて
前だけを
希望だけを見つめて生きている気がするから。

だから、吸い込まれて
虜になってゆく。

周りのみんなも、そして自分も。

〜君の目を見つめると〜

4/5/2023, 3:12:49 PM

かつてある夫婦は、辺り一面色とりどりの星に囲まれた、なんとも幻想的な空間で、二人だけの結婚式を挙げたそうだ。
いや、その言い方では、誤解があるか。正しく言えば、たくさんの星たちと一緒に、式を挙げた。

式を終えたあと、二人は地面に寝転がった。
もちろん、手を繋いで。

夫が言った。
「僕たちの余命はあと、一年だってね。きっと、あっという間に過ぎていくんだろうなぁ。これ以上、早く死んじゃうとか、嫌だよ?」

妻が言った。
「大丈夫よ。私たちはもっと長く生きるわ。あの流れ星が願いを叶えてくれるもの」

そう、二人は願った。
もっとこの人と共に、楽しく笑って生きていたいと。
心配性な夫に、強気な妻。

……先に亡くなったのは、妻だった。
二人とも、一年以上生きることが出来た。
だが、先に、夫よりも一日先に、亡くなってしまった。
そして、それを追いかけるように夫も亡くなったそうだ。

二人はまた巡り会うことが出来るのだろうか。
いや、きっとできるだろう。

そんな二人のお墓は、式を挙げた場所と同じく、満点の星空が見える位置に、そっと並んで建てられているらしい。

〜星空の下で〜

4/4/2023, 2:48:57 PM

あなたは、ずっとずうっと子供のままでいいの。

全部、お母さんが面倒を見てあげるからね。

あなたの好きなお菓子、ゲーム機、マンガ本。何から何まで、ぜ〜んぶ買ってあげる。だから、どうか私から離れていかないでね?

いっぱい甘えてくれるならそれだけでいいの。
後はもう、何も要らない。
あなたが私と一緒に生きてくれるだけで、幸せなのよ。


自分が産まれてからろくに親に愛されず、
要らないモノ扱い。
学校になんて行かず、そこら辺の大人と遊んでいた。
別に、そんなことしたってなんにも叱られなかったから。
そして、自分の何に惹かれたんだか分からないやつと結婚して離婚して。
またさらに他の男と結婚して離婚して。
そんなことをずっと繰り返していた。

……そして、あなたのお父さんもどこかへ消えちゃったわ。
でも大丈夫。あなたがいるから。
たくさん愛を注いであげるわね。

だから、あなたは一生子供のように私に甘えていればいいの。
それでいいのよ。

〜それでいい〜

4/3/2023, 3:05:00 PM

「お姉ちゃん!そのお菓子、1つだけちょーだい!!」

 小学校1年年くらいの時の妹はすんごく可愛かった。ちょっと舌っ足らずな言葉で、両手を前に出して欲しいアピールして。中々あげないと、うるうるした瞳で見上げてきて。そんな姿に愛おしさを感じて、自分が一番大好きなお菓子だったけど、あげていた。まぁ、私の方がお姉さんだったしね。

でも。

「お姉ちゃん、お姉ちゃんが持っているものぜーんぶちょうだい?」

 私の好きなバッグ、友達、恋人……その他諸々。
高校に入ってから、可愛いなんてちっとも思わなくなった。私の大切なものを奪い取るように持っていく。なかなか手に入らない時は、ワントーン高い声を出す。そして甘えるように私に言い寄っては、直接ターゲットに這い寄る。……なんでこんなやつの姉なんだろう。

〜1つだけ〜

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