あいもやでー

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3/25/2024, 3:25:04 PM

「好きじゃないのに」

「私と偽の婚約をしませんか」
そういって、復讐の為に僕を利用した彼女。
条件はそんなに良いものではなかったが、何故か首を縦に振った。
それから彼女とは、友人のような楽しい時間を過ごした。
友人のような関係だと思っていた。まさか、数日会えないだけでこんなにも辛いなんて。胸が張り裂けそうだ。
彼女といると、何故か安心できて、彼女がいないと安心できない。
もう、僕は彼女に支配されているように、彼女を想うことしかできなくなりそうだった。
おかしい。僕は彼女を好きじゃないのに、何故こんなにも胸がどきどきするのだろうか。不思議だ。

                     オニロ。

3/23/2024, 9:28:59 AM

「バカみたい」

本当に、私ってバカみたいだな。
何で生きてるのかな。生きてても良いのかな。
そんな考えが脳裏をよぎる──。
でも、一人だけ、バカでも良いって言ってくれた人がいたんだ。
私がバカと言われて泣いているところに、
「バカでも良いじゃん!ほら、オレもバカだからさ!仲間だよっ!ねっ!」
と、励ましてくれた。
あの頃は自分が5歳くらいのときだっただろうか。とっさに助けてくれて、とても嬉しかった。
なのに、あの人は交通事故で亡くなった。それに、彼は臓器提供をしていたらしい。
私の弟は、心臓が弱くて、誰か知らない人にドナーを買って出てくれた人がいた。
そのドナーの人が、彼だったらなあ、とあるわけない事を思ってしまう。
そして、手術が終わってからの弟は、何だか人が変わったように明るくなった。
私がお父さんやお母さんに、
「バカなんだから、早く勉強しなさい!」
と言われるたびに、
「良いじゃんバカだって。父さんも母さんも人生の本当の楽しみ方を忘れてるよ!」
と言い返してくれるようになった。まるで、彼のように────。

こんな事思ってる自分って、本当バカみたい。

                     オニロ。

3/22/2024, 12:08:12 AM

「二人ぼっち」

一人で机に突っ伏している私に、誰かが話しかける。
「ねえ、あなた、ぼっち?」
(何だよ。いきなり失礼な奴だな。)
「…そうだけど。何?君も同じぼっち?」
不機嫌そうに聞くと、笑いながら答えが返ってくる。
「アハハハ!そうだよ!私もぼっちなんだ!ねえ、私たち、二人ぼっちにならない?」
冗談混じりに誘われたが、何だか頷いてしまった。そうすると、すぐに返事が来て、何もわからないうちに、私たちは二人ぼっちになった。
「じゃあ、これから私たちは二人ぼっちって事で!」

名前も知らない君と、私たちは二人ぼっちだ。

でも、実は君の名前はずっと昔から、知っているんだ。
だって、「二人ぼっち」の君は、7年前、私の目の前で事故に遭った、「あかね」なんだから。
「二人ぼっち」になったのは、10年前のあの日、あかねは名も知らない私に、「二人ぼっち」になろうと話しかけてきた。
私はもちろん断ったが、知らないうちに、あかねと話すうちに、私たちは知らず知らずのうちに「二人ぼっち」になっていたのだ。

あかね、君は私にまた、「二人ぼっち」になってほしいの?だったら、私はよろこんで「二人ぼっち」になるよ。「二人ぼっち」は、死んでも尚、離れる事はないから。

                     オニロ。

3/21/2024, 4:32:02 AM

「夢が醒める前に」

夢が醒める前に、一つだけしたい事がある。

あの時、僕を庇って亡くなってしまった最愛の人。

僕は遠くにいたあの人に向かって走り出し、夢が醒めない事を祈る。

あの人の所まで行こうとすると、最愛のあの人は僕から離れようとする。

もう逃がさない。君は僕の物だよ。

そう囁きながら、あの人の唇に熱い口づけをする。

君は可愛い僕だけの物。

絶対に逃さないよ。離れようとも考えないで。僕の事だけ見て、僕の事だけ考えれば良い。

君に選択肢は無いよ。だって、君は僕の物なんだから。

                     オニロ。

11/16/2023, 11:04:49 AM

はなればなれ

「わたしたちは、死んでも、ずっといっしょだよ」
ミユキ──、数年前に亡くなった俺の恋人。
「ミユキ、お願いだ。もう話さないでくれ」
「ごめんね、せーくん。私達、はなればなれになっちゃうね」
「──そうだな」
「ごめんね、せーくん。もう、私、ダメみたい───」
「ミユキ!」
その時、ミユキは握っていた俺の手をはなし、帰らぬ人となった。
この時、俺はミユキとはなればなれになった。

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