ナナシ

Open App
5/7/2026, 10:17:05 AM

「お題が初恋の日ということで、本日は初恋らしいものを作ってみましょう」
「初恋ですか、初恋は実らないと言いますが実際のところどうなんでしょう、…じゃなくて材料はどうするんですか先生」
「良い質問ですね、助手君は初恋と聞いてどんなものを思い浮かべますか?」
「えっ、そうですね初恋ですか…難しいな。貴方ですかね」
「そうですね、爽やかなものを想像してしまいますよね」
「アッすみません甘酸っぱい檸檬や林檎、シュワシュワ弾ける微炭酸ソーダなんかを思い浮かべます」
「ではそれで。ファーストキスはレモンの味、島崎藤村の初恋から林檎をイメージする方が多いのではないでしょうか。これらの初恋の初々しさを爽やかな炭酸で割っていきましょう、初恋は実らないらしいのでなるべく早く忘れられるように薄めてしまうんですね」
「ほっ、他の果物を入れたりしても良いですよね」
「そうですね、蜜柑やカラフルな寒天ゼリーでキュンとする気持ちを再現します。胸の苦しさは白玉の柔らかさで包み込んであげましょう、君には白玉を多めに入れることにします」
「そんな先生」
「すると美味しいフルーツ白玉ポンチが出来るんですね」
「案外、お手軽に初恋の味が出来ちゃいましたね。なんだか複雑な気持ちですよ先生、ねぇ先生僕は砕けるしか無いんですか?」
「皆様もぜひお気軽に作って、初恋の人を思い出してみてはいかがでしょう?もう戻ることのないあの日のことを。以上、本日の概念クッキングでした。ごきげんよう」


「どうですか、美味しいでしょう」
「……アレ、可笑しいな……しょっぱいです」
「次は失恋の日のスイーツを作りましょうね」
「嫌だ………」

#初恋の日

5/6/2026, 9:52:25 PM

「どうする?」

「なんかアレだね、文集とかでよく聞かれるやつ。
たられば話好きだよね、人間。
もし一億円手に入ったら?とか
生まれ変わったら何になりたい?とか」

「あ~~懐かしい。君、なんて書いたの?」

「えっと、全財産を使い切ってすきなものいっぱい買ってすきなこといっぱいやって待つ…、って書いた」

「おお、分かりやすい……
生き様で後悔したくないってことね」

「特級呪物食べてないし。まぁ今は違うけどね」

「ほう」

「今は好きな作家様が再販してくれたからそれまでは終わらないで欲しい。本当に届くまで待って欲しいし、読み終わって余韻に浸る時間も欲しいからその後にして欲しい、わたしは今忙しいんだ」

「………幸せそうで何よりですな」
「きみこそどうなんだい」
「え、うーん…君と一緒にいれたら良いかな」
「調子の良いやつめ!」


#明日世界が終わるなら……

5/5/2026, 4:43:21 PM

物語の序章みたいに
劇的に何かが変わるということはモチロン無くて
ただ、
雫が岩肌に染み入るように、
朝露が葉を色づかせるように、
少しずつ少しずつ
君は僕の中に入りこんできて
それが友愛という種類の柔らかな情になって、
僕を形づくるパズルのピースにカチャンと収まった。

と言うと、
なんだか大層な響きをしているけれども、
君と僕が出逢った、縁があった
ただそれだけの話なんだ

ただそれだけのことが、
僕には嬉しくてたまらないんだ
分かってくれるかい


#君と出逢って、

5/4/2026, 11:40:52 AM

#耳を澄ますと

5/4/2026, 5:31:12 AM

「ねぇ、二人だけの秘密ですって」
「フーン、なんだかロマンチックな響きをしているけれど……私と君の間にもあったかなぁ」
「ふふふ、この間の帰り道はこっそり手を繋いだでしょ。とはいっても貴方は秘密主義ですから、わたしの知らないところでも色々と隠しているんじゃないかしら」
「それを言うなら君だって、私に隠している秘密くらいあるでしょう?」
「勿論一人だけの秘密もありますよ、ふふ」
「教えてくれなそうだなぁ」
「墓場まで持って行くつもりなの」

クスクスと片手で隠すように微笑む目の前の美しいひとが眩しくて、私は目を細めた。聞き出すつもりは無い。だって1度決めたらやり抜く人だから。頑固ともいう。

秘密多き謎多きひとは人間、魅力的に映るらしい。
冷たい香水のように、それは香るのだと思う。
貴方の場合も、また等しく。



#二人だけの秘密
ややお題とズレてしまった感が否めません
素直なひとも勿論魅力的です
物思いに耽るミステリアスな方を、
遠くから眺めていたいです

Next