やさか

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4/6/2023, 12:43:11 PM

 その奥に光がある。
 見出そうとする者にしか見えない光が。
 通り過ぎる雑踏の中では見つからないだろう。
 そこに理想を見ようとしても、きっとだめだ。
 君を知りたい。
 僕はもっと、君を。
 渦を巻く星空のように遠く果てしない祈り。
 君の瞳のポラリスが、それを静かに導いている。


 #君の目を見つめると

4/5/2023, 12:14:50 PM

 あれがぜんぶ落ちてくる日が、来ますように。
 世界の終わりは、そんなふうに来ますように。
 彼女はそう言って、両手を組み合わせて祈る。
 その頬は笑っている。冗談だよ、と言うように。
 実際、どこまで本気でどこまで冗談かはわからない。
 でも、全部が冗談ではないだろう。
 だから僕は、両手を組み合わせて祈る。
 あれがぜんぶ、いつまでも空に輝いていますように。
 世界の終わりは、僕と彼女の人生の後にして下さい。


 #星空の下で

4/4/2023, 3:22:12 PM

 愛ではなかった。恋でもなかった。
 君がわたしにくれるものは、そうじゃなかった。
 それはもっと小さな、白詰草みたいな好意だった。
 季節が巡れば消えてしまう、儚く無垢な想いだった。
 わたし、今でも君を夢に見る。
 でも、それでいい。それで、よかった。


 #それでいい

4/3/2023, 1:16:19 PM

 お前に星をあげよう。
 夜空に輝く星のうちから、どれでも、ひとつだけ。
 そう言われて、僕は天を仰いだ。
 それから、一面の星の中からよくよく選んで、幽かに光るひとつを指さす。
 あんなに小さくて消え入りそうな星でいいのか?
 確かめる言葉に頷く。
 だってあの星は、君の瞳の奥にある光に似ている。
 そんな星は、ひとつだけだ。


 #1つだけ

4/2/2023, 12:24:10 PM

 誰にも見せたくないけれど、誰にでも見せたい。
 だから、薄絹の向こう側に隠した。
 曖昧なシルエットだけを、あなたがたの目に許した。  
 ねえ、見て。この素敵なものを。
 わたしがそうやって示す、薄絹に揺れる影。
 あなたはそれに何を見出すだろう。
 きっとそれは、あなたの大切なものに似ている。


 #大切なもの

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