たーくん。

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5/14/2026, 10:06:08 PM

どこまで果てしなく広がる真っ青の海。
翼を広げ、雲の上から海へ向かって飛び降りる。
全身に風を受け、すごく気持ちいい。
このまま海に落ちるか、落ちずに翼で飛ぶか、風に身をまかせよう。
「おい、なにしてるだ!」
天使仲間に首根っこを掴まれ、落下が止まる。
「なにって、風を感じたくて……」
「神様に呼び出されてるだろ!?遊んでたら怒られるぞ!さぁ、戻るぞ!」
首根っこを掴まれたまま、空へ昇っていく。
はぁ、せっかくこっそりと天界から抜け出したのに……。
風と遊ぶのは、また今度になりそうだ。
海がどんどん遠ざかっていき、天界へ連れ戻された。

5/13/2026, 10:03:39 PM

一年後の目標や希望を記入するキャリアシート。
環境の変化や自分の気持ちに変化が出てくるかもしれないのに、一年後のことなんて決めれない。
なので、記入欄に"分からない"と記入して提出した。
「キャリアシートは自分の成長の為に書くんだぞ?分からないじゃ駄目だ。きちんと記入しなさい」
班長から注意され、キャリアシートが戻ってきてしまった。
未来のことなんて分からないのに、これじゃ強制じゃないか。
無理矢理決めるのは、なんか違うと思う。
まぁ、会社の決まりなら従うしかない。
とりあえず思いついたことを適当に書いて提出したら、すんなりオッケーを貰えた。

半年後、案の定、僕は別の職場へ異動となり、キャリアシートを書いた意味がなくなった。
ほら、やっぱり未来のことなんて分からないじゃないか。

5/12/2026, 10:12:33 PM

大人になっても、子供のままでいいじゃないか。
デスクトップパソコンの上に乗せていたミニカーを取る。
「ぶうぅぅぅん」
口からエンジン音を出しながら、デスクの上でミニカーを指で動かす。
「子供心を持つのはいいことだが、書類の締め切りは守ってほしいもんだな」
背後から、課長に低い声で話しかけられた。
ミニカーを止め、課長の方へ振り向く。
「もう少しで出来るので、すぐに持っていきます」
「頼んだよ」
課長はわざとらしい溜め息をついてから、去っていった。
息抜きで遊んでいたが、そうもいかないらしい。
ミニカーを再び動かし、デスクの端に駐車する。
子供心はとりあえず置いておき、大人として残りの仕事を片付けた。

5/11/2026, 10:06:33 PM

いつもより客が多い地元のうどん屋。
そうか、今日は愛を叫ぶデーか。
月に二回、うどんへの愛を叫ぶと割引してくれるサービスがあるのだ。
どれだけ割引してくれるかは、店長の評価次第。
ちょうど今、テーブル席で愛を叫ぼうとしている客がいる。
「俺はうどんが大好きだぁー!」
「普通過ぎるから一割引!」
愛の内容からして、初めて来た客だろう。
そんな愛じゃ、一割引で終わっちまうぜ?
俺はカウンター席に座り、深呼吸する。
注文はもう決まっているから、あとは愛を叫ぶだけだ。
「今日はどんな愛を叫んでくれるのかねぇ」
店長が俺の近くにやって来て、腕を組みながら言った。
ふっ、常連の愛を見せてやるぜ。
「俺はここのうどんのコシが好きだぁ!つ〜るつるでしっこしこで、すすりまくりたいほど大好きだぁ!」
「……なんか気持ち悪いし、下ネタだから割引なし」
「下ネタじゃないんだけど!?」
うどんへの愛を叫んだのに、なぜか他の客から注目を浴び、割引なしで、うどんをすすることになった。

5/10/2026, 10:01:48 PM

一面に緑が広がっていて目に優しいキャベツ畑。
畑の上で、数匹のモンシロチョウが飛んでいた。
確か、葉を好むってネットで見たことがあるけど……。
キャベツ畑に近づき、上から覗き込む。
「うげぇ……」
思わず変な声が出てしまう。
キャベツの葉にはモンシロチョウの幼虫であるアオムシが、美味しそうに葉を食べていた。
しかも、一匹や二匹ではなく、沢山。
じーっと見ていると、気分が悪くなりそうだ。
まぁ、虫が葉を食べているということは、無農薬で美味しいという証拠だが……。
キャベツ畑から離れ、無人販売所へ寄る。
棚には、一つ50円の訳ありキャベツがズラッと並んでいた。
葉のあちこちに、虫に食われた跡が沢山ある。
……多分、さっき見たアオムシの仕業に違いない。
買って帰ろうかと思ったけど、さっきのアオムシ軍団を見たあとだと買う気にならなかったから、買わずに帰宅した。
「今日はキャベツ祭りよ〜。近くの無人販売所で安く売ってたから沢山買っちゃった♪」
母さんがウキウキでテーブルにキャベツ料理を並べる。
マ、マジか……。
アオムシが入っていないことを祈り、目検にシワを寄せながらキャベツ料理を食べた。

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