たーくん。

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3/6/2026, 12:59:44 PM

目の前にある、絆と書かれた扉と、金と書かれた扉。
今、究極の二択に迫られている。
絆か金……。
絆を選べば、今より深い絆が生まれる。
金を選べば、金は貰えるが絆が薄れてしまう。
まさか地元でこんなイベントをするとは思わなかった。
「どっちにするか選んだか?」
一緒にイベントに参加した田中が、俺に声をかけてきた。
俺も苗字が田中だったから、同じ田中同士という理由で意気投合し、中学時代からの親友だ。
「そっちこそ、どっちにするか決めたか?」
「ああ、もちろん。どっちにするなんて考えなくても、もう決まってるさ。これしかないからな」
田中は真っ直ぐ二つの扉を見つめる。
これしかない……か。じゃあ、あれだな。
「よし、行くぞ!」
「ああ!」
俺達は扉へ向かって走る。
俺は真っ直ぐ、絆の扉へ向かう。
もちろん田中も……あれ?
田中は金の扉へ向かっている。
「悪いな!今月ちょっとピンチなんだ!今回は金を選ぶぜ!」
「お前この……!バカヤロー!」
田中は金の扉を選び、絆が薄まりかけたが、金を三割分けてくれたので許してやった。

3/5/2026, 1:06:44 PM

たまには何もかも忘れて休んでしまえばいい。
頑張りすぎても、疲れるだけだ。
……頭ではそう思っているのに。
いざ有給を取ると、罪悪感を感じてしまう。
家に居てでも、なぜか落ち着かない。
折角色々やろうと思っていたのに、何もせずだらだらと過ごしてしまった。

3/4/2026, 10:04:42 PM

大好きな君に、昨日雑貨屋で買ったプレゼントを渡す。
今月で、俺達は付き合って一年経つ。
サプライズで渡すために、こっそり買っていたのだ。
だけど、君はプレゼントを受け取らず、俺の腕を掴んで背伸びし……キスをした。
「いつもありがとうのキスだよっ」
君は照れた顔で、俺に言った。
君の照れた顔を見て、俺も照れてしまう。
まさか不意打ちをくらうとは……。
プレゼントを受け取った君は、ニコニコと笑う。
太陽の光のような笑顔を見て、俺の心はぽかぽかになった。

3/3/2026, 1:30:30 PM

赤いタオルと段ボールで作った雛壇。
各段には、鳥の雛達が大きな口を開けながら鳴いている。
これが俺オリジナルのひな祭りだ。
妹を喜ばせるために作ったのだが……全く違うと妹に言われた。
俺の家は貧乏だから、高価なひな人形の代わりに養鶏場で雛を買ったのは間違いだったか?
でも、妹はしばらくするとクスクスと笑う。
他の家とは全く違うひな祭りだけど、妹は笑顔で喜んでくれた。

3/2/2026, 10:10:37 PM

風が吹き抜け、空を近くに感じる山頂。
産まれた時から身体が弱く、難病で苦しむ妹を救うため、ここへやって来た。
この辺りに、どんな病にも効く薬草が生えているらしい。
長老の話によると、その薬草が生えているのを数十年以上は誰も見ていないと言っていた。
だが、俺にはそんなこと関係ない。
たった一つの希望だから、俺は全力で探すまでだ。
どれぐらい探し続けただろう?
薬草は全く見つからない。
弱気な気持ちになってきたその時、長老が言っていた薬草を発見した。
一本だけ、他の草に混じりながら生えている。
……崖の近くに。
落ちないよう、必死に手を伸ばす。
なんとか、ギリギリ手が届き、薬草を掴んだが、同時に崖が崩れ、身体ごと下へ落ちていく。
もう駄目だと思ったが、途中の木に引っかかり、なんとか助かる。
薬草は……よかった、無事だ。
死に物狂いで崖を登り、ふらふらになりながら村へ戻った。
村の人に薬草を渡し、妹が寝ている俺達の家へ届けてもらう。
これで……妹は……助かる。よかった……。
足に力が無くなり、地面に崩れ落ち、身体ごと倒れ込む。
俺の身体のあちこちから、血が出ている。
目の力も入らなくなり、目の前が暗くなっていった。

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