たーくん。

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11/4/2025, 10:06:22 PM

新しく作られた最高級のキンモクセイ。
カタカナで名前を付けられたが、正確には木製の金のことだ。
見た目が木の板なので、その辺に置いてても、気づきにくい。
念のため倉庫に、いらなくなった木の板と一緒に保管しているから、泥棒対策はバッチリ!
……で、どれがキンモクセイだっけ?

11/3/2025, 10:12:21 PM

沢山の人達に祝福されている、お兄ちゃんの結婚式。
行かないでと、願ったのに……。
お兄ちゃんが結婚して、遠くへ行ってしまう。
皆が祝福している中、私は離れて眺めていた。
お兄ちゃんと結婚相手の女性はずっと笑顔で、幸せそうだ。
見ているだけで、心が痛む。
妹として、お兄ちゃんの幸せを祝ってあげたいけど……やっぱり出来ない。
だって、私はお兄ちゃんのことが大好きだから。
兄妹じゃなくて、他人同士だったら、結婚出来たのに……。
祝福されている声が、だんだんとノイズとなり、耳障りになっていく。
私は耳を塞いで、現実逃避をすることしか出来なかった。

11/2/2025, 11:38:07 PM

机の引き出しに入っている一つの標本。
幼い頃に採ってくれた蝶やカブトムシ、浜辺で採ってくれた貝殻が、当時のまま静かに眠っている。
これらは全て、幼馴染みの智也がくれた物だ。
思い出として、好きな人から貰った物として。
今も大切に保管している私だけの、秘密の標本。
でも、前日、智也は女性と手を繋ぎながら笑顔で歩いているのを見てしまった。
多分、あれはデートだろう。
私がもっと早く気持ちを伝えていれば、智也の隣には私がいたかもしれない……。
今さら後悔しても、もう遅い。
……この標本、捨てちゃおうかな?
しばらくじーっと見て、考える。
ダメだ……やっぱり、捨てられない。
これは私と智也二人の、大切な思い出が詰まった標本だから。
「はあ……」
思わず、溜め息が漏れてしまう。
標本を引き出しに戻し、閉めて鍵を閉める。
「智也を標本にすれば、誰にも邪魔されずにずっと一緒にいれるのに……」
思ったことが口から出てしまい、自分が恐ろしくなって、笑うしかなかった。

11/1/2025, 11:55:38 PM

ひんやりとした空気が舞っている朝。
布団からいつ出ようか、タイミングをうかがっている。
スマホの時計を見ると、そろそろ起きないといけない時間。
覚悟を決め、布団を捲って起き上がる。
ひんやりとした空気が襲ってきて、身体を冷やしに来た。
寒い……寒すぎる……。
おかげで一気に目が覚めてしまう。
まだ冬は来ていないのに、今こんなに寒いと、冬が来たらどうなってしまうのだろうか?
身体がカチカチに凍って動けなくなりそうだ。
まぁ、こういう寒い時にこそ……。
台所のポットでお湯を沸かし、お気に入りのマグカップにインスタントコーヒーを入れて、お湯を入れる。
コーヒーは温かさをアピールするかのように、白い湯気が宙を舞う。
スプーンで優しく混ぜたら、完成だ。
マグカップを持ち、やけどしないようにゆっくりと口を付け、コーヒーを飲む。
……温かい。
喉を通り、身体全体に温かさが染み渡る。
温かいものを飲んで、身体が温まる瞬間が好きだ。
朝はこうしてまったりするのに限りますなぁ……。
でも、まったりし過ぎて、会社に遅刻しそうになることもあるから、注意が必要だ。

10/31/2025, 11:11:41 PM

鬱陶しいほど主張が強くて照らしつけてくる太陽。
光を浴びて、地面に俺の分身である影が現れた。
影は俺が動くたびに、同じ動きをする。
……どっちが、本当の俺なのだろう?
普段は真面目に生きているが、影を見ていると、悪いことをしたくなってくる。
多分、真面目に生き過ぎて、ストレスが溜まっているのかもしれない。
影に侵食される前に、なんとかしなくては。
人が多い場所を避け、自然が多い山方面へと向かった。

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