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1/21/2024, 2:13:30 PM

・特別な夜

今夜すべての不思議が星屑となって、雨音のように足音を響かせ舞い降りてきた。
屋根を打つ小石はいつの間にかさざめく笑い声に変わり、ちかちかと瞬いていたライトの代わりに月光がその影を浮かび上がらせる。
窓の桟についた手に落ちる氷は冷たく弾け飛び、まるで宝石のように踊りながら輝きだす。
肺を刺す冷たさすらもメロディのようだった。見上げた先と見下ろした先で、祝福は静寂の中に、小さな世界を築いていた。

1/20/2024, 10:36:20 AM

濃く滾る淀みよりも尚も深く
浮き立つ思考に締め付けられる喉を
泡を吐いて力を抜け 指を肩を瞼の奥を
水面は遠く 照らすは月か太陽か
静寂は重く 鼓動は雑然と
足掻く手足の不自由さを

9/17/2023, 1:49:49 PM


茶色くしなびた茎が仰ぐ 青は赤く山陵は朦朧と
湿気った地面に水をやる 砂塵はぬかるみ延々と
杭を刺し抜きあふれるがらんの空洞
喉より絞る声は意味をなさず
ひたすらに叫ぶ

鍬を持て 鋭き切先
叫べ 叫べ 叫べ!

雨など要らぬ 種など要らぬ
泥水よ 洪水よ

柵の外の荒廃よ
おまえの灼熱など知ったことか!

9/7/2023, 5:30:19 AM


いずれかの窓を閉じ、四角いベルを彼方に投げる
無関係な雑音が秩序を乱す
向き合う鏡は鏡か窓か
頼りない綱を信じる 愚か者か愚か者か
向き合うなそこは虚像だ
影はたぶんどこか遠くに とっくの昔に
音も光も熱も味も
全ては今だ 今も過去だ
恐れるな
全ては今だ 今でしかなく
恐れも不安も目を閉じた幻影と何ら変わりない

9/5/2023, 2:24:27 PM

 
貝殻 砂浜 海の音
細波 焚火 火の鱗粉
海は深く 耳は重く うねる螺旋の
奥深く 深海 青暗く 呼吸は泡に
反響する 薄膜の 殻は硬く
砂に潜る 音を聞く 月下の
小さな雑音は殻の外を通り過ぎた
砂の粒は数多に吹きすさび彼方に入れ替わる
永遠は渦の底に伸ばす手はない
隙間に見上げる月光陽光
粒を呼吸を泡を言葉を
閉じて聞こえるさざめきを

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