マシュマロの美脚

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12/29/2024, 2:22:43 PM

みかん


こたつに入ってみかんへ手を伸ばす。
よくよくもんでみかんを剥いて

食べる

寒い冬、窓の外には雪がちらちら降っている

こたつは猫と取り合いで、犬は外を見て興奮している
鯉たちはゆっくり動いているし、蛇は冬眠してる

雪がまた降っている

気温が下がりバターが溶けない
お皿を洗うにも水が冷たくて悴んでしまう
お湯にしようも、なかなか温まらず先にお皿を洗い終わる

雪が降るある日
家族が帰ってきた
普段は静かなのに何処か賑わいが溢れている
初詣をして、おせちを食べる
お墓参りをして、お雑煮を食べる。
こたつに入って、みかんへ手を伸ばす

そんな雪の日

12/27/2024, 12:13:00 PM

手ぶくろ



「手套を脱す」


ヘラヘラ笑って場を過ごす
相槌うって話を聞いて、空気を読む

ギャグを振られたら滑るにしろ何にしろ何かしら応えて
何かのプロジェクトは積極的に

皆にレベルを合わせて皆と足並み揃えて
皆の好きな話を勉強する
自分の意思は殺してみなを応援する

自慢はしなくて他人を褒める
他人を上げて自分を下げる
息を殺して他人のサポート


もう飽き飽きだ


手袋をはずして
こんな鎖を投げ捨てて
自分自身をさらけ出す

きっとこれが正義
正しいとされるもの


きっと手套を脱したその先は自分自身と言うなの人間




………でもどうやらもう手袋の下は何も無かったらしい

12/20/2024, 3:01:39 PM

ベルの音


フッフッフッ〜
やっと、やっと、五万ベル貯まったぞ~
これで、これで念願の蓄音機が買える!!! 

「蓄音機は有り難いことに売れたんです。次の入荷はまだ決まってなくて。」

、、、手から落ちたベルの音が店内に響いた

12/13/2024, 12:03:08 PM

愛を注いで


君の花瓶に愛という名の水を注ごう

涙で埋まってしまった花瓶の中を僕いっぱいに埋め尽くそう

そそいで

そそいで

そそいで

そそいで


僕の愛が枯れてもいいから
 

そそいで    そそいで    そそいで    
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで 
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで    
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで 
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで
そそいで    そそいで    そそいで
    そそいで    そそいで    そそいで

そそいだから

泣き止んで
僕の愛を受け取って

君の涙を押し流して

僕の愛で埋め尽くす

僕に君を救わせて


君の花瓶いっぱいに水を注げばきっと綺麗な花が咲く




『花は水や肥料をやりすぎたら枯れます』

12/10/2024, 4:17:04 PM

仲間


ねぇおじいさん

おじいさんはなんでそんなに偏屈なの?

なんでそんなに怒りっぽいの?

なんでそんなに嫌われるの?

なんでそんなに自慢げなの?

なんでそんなに見下してるの?

なんでそんなに一人なの?


なんでいつも泣いてるの?



おじいさんは昔何をしていたの?

A冒険者

おじいさんに奥さんは居ないの?

A昔は居た

おじいさんは友達居ないの?

A昔は居た

おじいさんは友達を作らないの?

Aもういい歳してるから

おじいさんに質問してる僕は誰?

Aおじいさん


自問自答を繰り返す日々

寂寥感を感じる
ある意味これは自身への罰

仲間を失いはや二十年、こんな偏屈爺に成り果てた

人々は私を恐れ忌み嫌う
絶望の果てに迎えたのはそういった人達ばかり

仲間を失い、光を失った自分は手を伸ばせなくなった

怖かった。もう一度失うのを

仲間が残してくれたのは自分自身ただ一つだった

何度あっちへ行こうと思ったか、何度一人残された事を恨んだか
結局こんな年まで生きてしまった

こんな年まで生きてしまうのは一人遺った罪なのだろう

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