(おかしい所があるかもしれませんが、優しい目で見てください)
「たそがれ」
あの日の僕等は人生全てが楽しくて、とても充実していたんだろう。
これは結果論だが馬鹿やってた少年時代が一番楽しかった
大学に行くほどの学が無かったし、勉強もする気がなかったから、親の反対を押し切って適当に就職
これが失敗だった
短大でも専門学校でもなんでもいっとけば良かった
入った会社はブラックで、給料も少ないうえにほぼ残業代はないようなもの。
上司は理不尽に怒るし、やるはずのない営業もしなければならない
休日もなくだんだん友人とも離れていく。
親の反対を押し切った事もありなんだか頼りにくかった
そんなんで他の会社に転職しようにも新卒でもなく、学もないやつは取ってくれる会社はブラックばかり
そんなこんなで働いて働いて、体を壊した
そんな大した病気ではなかったけど、健康を取り戻すにも離職するしかなかった。
さっきもいったが雀の涙ほどの給料だ、病院に行くのも捻出するほどなのに入院となると金がどんどん飛んでいく
親を頼るしかなかった
アラサーを超えようとしているのに親を頼るのは情けないが背に腹は代えられない。
久しぶりに実家に帰った。
孫の一つどころか彼女すらいない。
情けないな
そんな魔法使いになってしまった俺を親は優しく迎えてくれた
何とか病気も治し就職しようにも40前のおっさんを受け入れるとこなんてほとんどない
ましてや学がない奴なんか…
今は実家に住ませてもらってるから金ぐらいは入れたい
親だっていい年だ、言っちゃ悪いがいつ死んでもおかしくない
安定した職について、結婚して孫を見せてやりたい
普通の家庭を築くのってこんなに難しいもんなのか
どれか一つでも達成したい
頑張って職を探したし、マッチングアプリもやってみた
彼女はできんかったが何とか適当な地元の会社に入れた
それでやっと少しずつ親に恩返しできると思ったがそんな時親が死んだ。
最初は父さん、病気だ。後を追うように母さんも死んだ。
まだ安らかに逝ったから良かったけど、、、
やるせないなぁ。
これからやっと少しずつ良いようにいくのに
入った会社のYさんと最近食事にいくのに、いい感じなのに
給料も入るようになって余裕ができてきたのに
上手くいかないもんだねぇ
PS、
Yさんとは交際できました。
古代の文書はここで終わっている
「静寂に包まれた部屋」
さっきまで聞こえていた声はもうない。
女性の高い声と、興奮したような男性の声。
2つの声が重なり合っていた。
その楽しそうな声が消えた部屋はどこか冷ややかさを帯びており、この世界は自分一人になったのでは無いかと思わせる。
何時もこうだ。
楽しい事がある後の静けさは良く分からない寂しさを感じる。
これは楽しい事が過ぎ去ってしまった事によるのかどうかは定かではない。
ただ、何時も静かな部屋で一人佇む。
別にこの余韻が嫌いな訳では無い。
遊びはまたすればいい。
それでも同じことは二度ない。
この゛寂しさ゛は一つの思い出を想うからかもしれない。
昔は別にそうだった訳では無い。
普通に楽しんでみんなで色々やりあって、それで終わり
ある意味何にもならない一時の快楽だ
それで良かった。
それで済む方が良かった。
人生がこんなに生きづらくない。
この静寂を取り戻した部屋ではつい感傷的になる
らしくないな
さて、帰るか、
先程まで生きていた男女をその場に放置して、一人部屋を出る。
薬を飲み興奮した男女は殺し合う。
やっぱりというか男が勝つ。
その後に薬の副作用で男も息絶える。
簡単だ
SやC、ましてやHを飲むような奴ら簡単に騙されてくれる。
何時も楽しい喜劇を見せてくれるが、自分にも手を出してくるのは面倒くさい。
殺すだけなら簡単だが、面白くない。
昔はそれで満足出来たが何時だって飽きは来るもんだな
ずっと特殊だった自分、
人を観察するのが好きだ。
理由もわからない理論を振りかざして悪さする理由が分からない。それが面白い
結局被害者がされた事をすると、「自分は関係ない」だの
「悪かったと思ってる」だの吐き捨てる。
正直それはどうでも良いが、それで許されると思う人の考えが分からない。
知りたい。
知らない事だ。なぜそう思うのだろう。
世間では「異常者」と言われる。
だが仕方ないだろう、自分を変化させるのは難しい
面倒にならない程度で済ます
それが効率的だ
プルルルル
静寂に包まれた部屋に響く電話
新たな依頼だ
復讐屋
そう言うお店をしているんだ。
根っからの屑だけ殺す殺し屋さ
警察も少しは見逃してくれるから楽なんだ〜
是非機会があったら教えてね
※SはスピードC、コカインHはヘロインです
どれも麻薬の隠語です。
※麻薬は危険です絶対にやろうと思わないでください
「別れ際に」
昔から人と話すのが苦手だった。
会話を振られて、言いたいことはあるのに頭が真っ白になって話せない。
人見知りもあり、どもっているうちにだんだん人は私からとおのいてった。
あまり大きな町ではなかったから、スタートダッシュを失敗し自分はいつも1人、誰も話しかけてくれなかった。
そんな毎日に終わりが始まる。
学校の下校中、一人の男の子が話しかけてくれた。
男の子に私は話せる気がした。
それから放課後、男の子と一緒に遊ぶようになった。
毎日、毎日、毎日、毎日、
ずっと一緒だった。
男の子は学校には来ないし、他の子は男の子と話さない。
自分だけ男の子と話す。
小さな独占欲が出て来たきっかけだった。
男の子は自分の物だ、そう自慢したかった。
でも自慢すると男の子が取られる気がして秘密にしてた。
そんな私も中学生になった。
男の子とは会う頻度は減ったがまだ良く遊ぶ。
そうそう、男の子の名前は夢不(むふ)と言う。
というか、訳あって名前が出せないから名前をつけてと言われて昔つけたのだ。
なんでむふにしたのかは覚えてないが可愛くていい名前だと思う。
それで何となくだが一つ気づいたことがある。
夢不は正体を知られたらいけない理由があるのでは無いかと思う。
きっとどこかの御曹司で、市井を知るためにこの町で暮らしているんじゃないかと、
そうなるとそろそろ夢不、引っ越す?
……え? ………?
え?
?
え?
どうしよ。
今更ボッチとか嫌だけど、
夢不居ないと生きていけないよ?
いやまぁ生きるけどさ
「むふ~引っ越さないで〜」
つい隣にいる夢不にそう言っていた。
いや、引き止めることはできないけどさ、、嫌だよ〜
そう悶々と唸ってるとなんの気無しに夢不は言う。
「まだ引っ越さ無いから安心して?」
なんでいきなり引っ越すとかの話になったのか不思議がってるが気にせずに答えてくれる。
やはり夢不は私という存在を分かっているな!!
あれから考えたんだが、夢不が御曹司うんぬん置いといて引っ越すときがあったりすると私は絶対に泣きつく
そんで絶対に困らせる。
そうなると凄く迷惑をかけるだろうな…
だからいつ何があっても良いように、むふが居なくても何とかなるようにしよう。
それから私はひとまず友達を夢不以外に作ることにした。
最初はクラスの女の子と話せなかったけど少しずつ、だけど着実に話せる頻度が増えて言った。
その影響か、クラスの人が話しかけてくれるようにもなっていった。
友達が出来て、夢不と会う頻度が減っていった。
週に5日会ってたのが4日、3日、2日と、減ったいた。
そうやって私の世界が広がる時、夢不が居なくなった。
夢不とはいつも同じ時間に湖の前の公園で待ち合わせしていた。
携帯は私は高校生になってからだったし、夢不も持ってなかった。
だから絶対に待ち合わせには用事が入ってもまた合うために一瞬でも合うようにしていた。
そんな夢不が居ない。
いつもの時間、いつもの場所、無のに夢不だけが足りない
いつも居るのに…
あれから毎日公園に行くのだが夢不とは会えないままだった。
どこ行ったんだろ夢不。
あれから夢不とは会えないまま、高校生になった。
夢不の代わりと言うように友達は増えていった。
でも何か足りない。
夢不はいつも私を理解してくれた。
それでも居てくれるだけでありがたい。
そうな順調な高校生活をしていたけど、気に入らなかったらしい。
ノートは破かれ、筆箱はゴミ箱、上履きには押しピン、
先生がいない時は暴言をはかれ、一人のけ者にされる。
いわゆるイジメだ。
少しずつ、だが着実に私の心はすり減る。
それに伴って私の健康と、イジメはもっと劣悪なものになる。
学校にいくと私の席だけなくなっていたり、水をかけられたり、、、、
こんなものだとまだいいが、トイレに顔を突っ込まれたり、、、
これ以上は、
で、こんな酷い事をされてるのに先生は黙認。
小さな田舎の高校だから問題になるとすぐにっちもさっちもいかなくなるらしい。
私が自殺したらそんな話しじゃないと思うけどな。
そこまで頭の回らないバカどもだと思わなかった。
あぁ、夢不に会いたい。
私を迎えに来てくれないかな?
もう疲れたよ?
夢不と待ち合わせしていた公園、もう3年も会ってない。
高2だよもう。
元気してる?
私頑張ったよ。友達作って人と話せるようになったよ。
イジメに合ったけどこれまで生きて来たよ。
ねぇもういいかな?
私がこの世と別れ際夢不の声がした。
「noise noise noise じゃあね。 noise noise」
「noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise iseno noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise noise」
イマジナリーフレンド
通常児童期にみられる空想上の仲間をいう。
イマジナリーフレンドは実際にいるような実在感をもって一緒に遊ばれ、子供の心を支える仲間として機能する。イマジナリーフレンドはほぼ打ち明けられず、やがて消失する。
ここで出てくるパートナーはどちらの性別でも構いません
「窓から見える景色」
変わらない景色。
変わらない光景。
はぁ
毎日飽きるほど見ているその景色はこの現実からめをさせなくしている。
事故により右足欠損。
義肢をつけリハビリはしているがあまり上手くはいかない
事故で過保護になったパートナーにより自宅で軟禁状態。
パートナーは見えないとこで動かれるのが怖いらしく外出禁止にされている。
こんな体じゃしようと思ってもできないけどな
だから週に一度パートナーと買い物に行くのが唯一の外出だ。それでもパートナーの仕事の関係で行けなくなったりもする。
こんな体だから仕事はできない。
出来てもほとんど収入は無い。
パートナーに無理をさせてしまっている。
はぁ
そんなだったらあの時死んでしまったら良かったのに。
それだったら悲しませるけど苦労はかけない…
……………
………
いけない。
気分転換をしよう。
パートナーは俺のために色々暇つぶしを用意してくれている。
たくさんの種類のゲームから、本、映画、塗り絵、刺繍、ぬいぐるみ、、、、etc
なんか、、、最後の方、、俺のことをか弱い女子か何かかと思ってる?!!!
全く酷いやつだ
はぁ
切り替えて俺は一つのゲームを取る。
最近流行っているらしい横スクロールアクションゲームをやってみる。
もともとそんなにゲームをする方では無いが、、
なんか、あんまり楽しくない。
いや、楽しい。
楽しいけど、したい気持ちになれない。
しかたなしに外を眺める
外を見ても苦しいだけだ。
人が普通に歩いているそれが酷く羨ましい
俺なんか…そう思ってしまう。
そんな俺が嫌で…etc
はぁ、
早く帰ってこないかな
あいつがいるだけで気が晴れる。
それなのに、俺はにこりとも笑ってないらしい。
はぁ
もう疲れたよ
何もしてないのにw
あーあ
もう見飽きたこの窓から見える景色はいつも変わらない。
海が見えると良いのに
見晴らしが良かったら良いのに
人の声が聞こえたら良いのにね。
無常にも見えるのは路地の壁と時々通りかかる人、
基本的に人が通るのは2時間に1人くらいだ。
音も少なく快適な場所ではある。
でも今は寂しさを加速させるだけ
面白みも何も無いこの景色を今日も俺は窓越しに眺める
「形の無いもの」
ぽちゃん... ぽちゃん...
薄暗い路地、その先にはスラムが広がっている。
だだっ広いスラムの入口
雨漏りする家とは言えない寄せ集めで作った箱
スラムの入口に建てられた箱
そこに住む小さな子ども。
皆こんなもんだ。
この国の名前は知らない。
でもこの国が腐っている事ぐらいは知っている。
この周辺諸国に住んでいるものはみな知っている。
贅肉で肥えた貴族たち。
暴虐の限りを尽くす王族。
どうすることもできず飢えに苦しむ国民。
資源も少なく荒れた国などすぐに落とせるが他の国は皆見て見ぬふり
資源もなく金だけがかかる国などいらない。
そんな国の被害者。一人の子ども。
誰にも救われず一人死んでくだけで誰も見向きもしない。
当たり前の日常。
そんな国が実在してしまった。
可哀想な国民たち。
そう同情しても仕方がない。
それなら飯をと、皆話す。
それでも数はいる。
人材をいくら取ろうと怒られない。
様々な国が密かに入り混じり、監視する
そんな国に立ち寄ったお師匠様に僕は拾われた。
数少ない精霊に好かれる体質だった僕はお師匠様に生贄へと選ばれた。
後8年後、僕がハタチになれば精霊の生贄になれるらしい
僕はお師匠様に拾われて幸運だった。
絶対にハタチまで美味しいものを食べて知識を得られるから。皆すぐ死んでくスラムよりよっぽどいい。
お師匠様は、エルフという種族らしい。
何でも長寿らしいが実際は少し違うらしい。
精霊に好かれ対価を渡せば大体のものは得られる。
世界に十人といないらしい。
僕は運好く精霊に好かれる人間だった。
生贄の儀式を行う場所へ行く為に今は旅をしている。
知識、体、精神力、信仰、技工、どれも多ければ多いほど良いらしい。
僕はお師匠様に様々な事を教わった。
地面に生えている薬草から、それの効能。
剣術に弓術。
どんな時でも冷静に慣れるようにと狩りもした。
この世界の神々についても教わった。
鍛冶や建築、裁縫まで…
何でもお師匠様は出来たし知っていた。
たのしかった。
知識を得ることはこんなに楽しいのか…
体を動かすのはこんなに楽しいのか…
しらなかった。
初めて得た事は僕には衝撃で、、、
そんな僕も十五になった。
二十歳まであと5年。
お師匠様と出会って3年がたった。
お師匠様は何も教えてくれない。
お師匠様の好きな食べ物
お師匠様の好きな国
お師匠様の好きだった人
何もお師匠様の事は教えてくれない
僕はメイアと言う名前をもらった。
お師匠様の名前は知らない。
どうせあと五年の付き合いだ
旅は順調だ。
儀式の場所…世界樹の泉まではあと三年もあればたどり着くらしい。
早く着いたら近くの町で滞在するらしい。
………………
最近一つ気づいたことがある。
お師匠様は見えている世界が違う。
悪い物や人が一目見るだけですぐに気づく。
どうやら悪意や殺意が形になって見えるらしい。
逆に好意などもそう見えるらしい。
僕の形も見てもらった事もあるがどうやら形が無いらしい。
何でだろ、お師匠様は何か気づいてるらしい。
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ザッザッ、、ザッザッ、、ザッザッ、、
歩くひたすら歩く
あれから五年の、儀式まで三年、
十七になった。
体は大きくなったし、お師匠様のおかげで知識も得た。
ここまで育ててくれたお師匠様はが好きだ。
これが親愛か恋愛的な愛か、分からない。
それでも側を離れたくない。
お師匠様は僕を贄にする為に拾って愛着がわかないようにそっけなかった。
それでもお師匠様が好きな僕はいつも話しかけた
お師匠様は次第に話してくれるようになった。
僕も大きくなった。
お師匠様は僕から離れようとした。
僕を贄に出来ないんだと。
優しいね。僕はスラムで暮らしていた影響か、心に感情という形が無いらしい。
お師匠様は僕のように変化し続ける心は初めて見るらしい
理由は分からなかった。
でも多分、したい事も何も無い。
三大欲求?笑わせるね。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二十歳
贄になる。
お師匠様はずっと反対している。
愛着湧いちゃったてさ。
でも僕がしたいんだ。
お師匠様に感謝しているからお師匠様にお礼をしたい。
僕にできることはこのぐらい。
お師匠様は拗ねて今日は一緒じゃない。
世界樹の泉へ登っている。
エルフが長寿なのは、どうやら精霊に好かれる体質でお願いが聞いてもらえるらしい
その対価で精霊が食せる体質の人間を捧げているらしい。
それが僕だった。
泉につくとお師匠様はすでにいた。
「本当にメイアはいいのか?死ぬんだぞ!痛いぞ!」
お師匠様は泣きそうな声でそう発する。
お師匠様を無視して僕は泉に入る。
ぷかぷかと浮く体。
泣き崩れるお師匠様。
周りに羽虫が集まり僕の体へ…
ブチッッッ ブチッッッ
ブチッッッ ブチッッッ ブチッッッ
体がちぎれていく音がする。
痛い。これまで味わったことの無い痛み。
お師匠様を泣かせれる存在になれた。
お師匠様を助けれる。
そう思うと嬉しかった。
生涯に悔い無し。
ふふふ
メイアの形のない心は初めて嬉しい形になった
お師匠様が泣いたのは罪悪感からか、恐怖からか、愛着からか、何なんでしょうね