10/5/2024, 4:53:12 PM
真夜中の星空を見上げる
都会ではほとんど見えない星たちだけど
星を見に行こうなんて気合を入れて行った場所では
見え過ぎて何が何やらわからない…
星座を見るなら、
プラネタリウムが一番いいな…なんて
ベランダでひとり呟く
世の中はもうとっくに寝静まった
眠れない僕を見つめているのは
神話の時代のものたちか
はたまた自分の先祖の霊か
寂しい夜を今日もひとり
それでも 何度だってこの時を待つのは
みんなで迎えるはずの昼間に
淋しさを感じるから
星座を眺めて想うのは
寂しくても淋しくない日常のこと
No2.『星座』
10/3/2024, 9:37:23 AM
別に大したことはない
僕が話して
それを聞いてくれる人がいた
いろんな人に何度も話しているはずが
いつまでたってもまとまらない
途切れて 詰まって
駆け足で過ぎて
飛んでは 戻って
ぐちゃぐちゃになって
そして
突然まとまって
また崩れて
心はどんどん焦っていくのに
頭は妙に冷静に
まるで他人事のように語られる
『僕』の話
あの人はそんな話を
全部聞いて
たくさん悩んで
そして
ふわっと笑って
「そっか」
とひとことだけ呟いた
それが何よりも嬉しかった
初めて この人ともっと一緒にいたいと思った
*
それから
僕はたくさん話をして
あの人はいつも静かに笑っていていた
僕の世界を広げてくれた人は
自身の世界をゆっくりと畳んで
塵ひとつなくきれいに片付け
僕のそばから突然消えた
*
気がつけば 僕は話してばかりで
気がつけば あの人は何も語ってはくれなかった
喜びも 怒りも 哀しみも 楽しさも
あの人がどんな風に思い 考え 行動していたのか
僕は何も知らないまま
*
願わくば あの奇跡をもう一度
もう一度会えたなら
僕はきみを救えるだろうか
No1.『あの奇跡をもう一度』