No7.『カーテン』
僕がとっても小さい頃
僕はとっても泣き虫だった
ランドセルを背負う頃には
猫さんたくさん背負い込んで
僕はだんだん泣けなくなった
*
嬉し泣きとか 悔し泣きとか
単に風邪を引いただけとか
涙の理由も色々あると
そんなことは知っている
それでも泣く子は好きじゃなかった
泣ける子のことが好きじゃなかった
助けてくれる そう信じれる
信じられない僕が嫌いだ
*
今日も空虚に生きていく
全部 全部が そこそこで
からっぽなまま 微笑んで
怒って 笑って 泣いている
そんな自分に憧れる
『涙の理由』を探してる
No.6『涙の理由』
例えば 部屋で
スマホ見ながらごろごろしてる時
例えば 仕事場で
あったかいお茶を飲む時
例えば 出かけた先の公園で
ベンチに腰掛け日向ぼっこする時
家族・同僚・行き交う人々
周りに人はいるはずなのに
ちょっぴりひとりを感じる瞬間
笑顔の仮面を何処かへ飛ばし
耳を塞いで 目を閉じて
詰めた息を吐く
束の間の休息
それが終われば忘れちゃいけない
あなたの飼い猫 揃ってますか?
No5.『束の間の休息』
今がその時だ
今を逃せば、また開けなくなる
そう思った
力を込めて
僕はその扉を押した
*
軽いドアの人も
重いドアの人も
内開き 外開き
スライドドア
開き方は色々
鍵はあるかな?
自動ドアとか?
簡単に開ける人も
なかなか開けない人も
大抵の人が持っているはずで
でも、いろんな形がある扉
自分と外との境界線
*
僕はあの時
オートロックに内鍵付き
とっても重たい外開きのドアを開け
少しだけ外に出て
ドアから手を離せないまま
また戻ってしまった…
*
外に出たいと切望しながら
今日も扉に手をかけられぬまま…
つくったこぶしを開けずに
今日こそ動け と力を込める
No.4『力を込めて』
この人生が始まってから
20数年たったけど
この人生が終わるまでには
あと何年がかかるだろう
平均寿命の1/4
たぶん
まだまだ若いのだ
そんなやつにも 昔はあって
今は昔の積み重ね
*
僕の言葉や振る舞いを見て
周りの大人が言うことは
若いのに とか
大人だね とか
そんな言葉を聞くたびに
ほんのちょっぴり思うのは
だってこれしか知らないし…
*
あなたの思う"若い"ってなに?
あなたの求める"こども"ってなに?
社会の望む"大人"の像を
演じたことなど一度もない
僕の中での"正解"は
今も昔もこれひとつ
*
帰る途中の電車で出会う
部活終わりの高校生
友達同士で話しているのを
扉の脇で聞いている
*
ふっと想うは過ぎた日のこと
あの頃どうしていたならば
僕は子どもでいれたかな…
あの頃どうしていたならば
僕は"仲間"で入れたかな…
*
僕は大人になったけど
"子ども"にずっと囚われたまま…
No3.『過ぎた日を想う』