椿灯夏

Open App
10/17/2024, 11:27:00 AM

お題《忘れたくても忘れられない》


桜面影通りに行けば《あなたの心にある、あの人によく似た大切な人に会える》という、なんとも不確かで怪しい都市伝説がある。



真実不明、信憑性ゼロ。



さっき一気飲みしたミネラルウォーターのせいで、胃が少しきりきりする。


《現実みなよ》と友人に冷たく吐かれた言葉に苛ついて、私はひとり、夜酒にふけっていた。


頭の中をリフレインする、烏の青年のあの言葉。




《世の中真実か嘘かなんて、大したことじゃない。大切なのは自分にとっての、得るものだ》



私は、冷たい風が彷徨う夜の町へと消えてゆく。


一輪の花を握りしめて。

10/15/2024, 12:39:20 PM

お題《鋭い眼差し》



それは永遠とも刹那とも想える時間だった。


時が疾風のように駆け去ったようにも、時が凍りついたようにも感じた、魂の語りでもあった。



瞳と瞳が、真実のみを語る。


けっして偽りなど、そこには存在しない。




明日白銀の月が忘れじの国の闇を炙り出す夜に、世界は終焉か黎明を迎えるのだ。


そこにお前がいなくとも。



9/10/2024, 1:42:22 PM

お題《喪失》



心が錆びていく、ゆっくり、おだやかに。




「だいすきだよ」



あなたの言葉が、きらい。



気持ちが空白になってしまったのがわかるから。



でもいえない、いいたくない、わたしをゆらす。



「さよなら」



わたしの笑顔は不変の嘘。




9/8/2024, 11:19:55 PM

お題《胸の鼓動》



それは、わたしを変える四季彩の鐘。



不変じゃない、一秒ずつ変わってゆくんだ。



君と、わたしの関係のように。


9/8/2024, 2:58:46 AM

お題《踊るように》




果てしない旅路もあなたを想えば、足は自然に踊りだす。


会えない日々も美しく輝きだす。




わたしの世界に花が咲く。


Next