9/15/2023, 1:38:31 PM
お題《君からのLINE》
心に降る雫も陽も。
君の綴った物語のせい。
あと何回続くだろう、君は私との物語で笑顔になってくれるのかな。そんなことを想う度眠れない夜が、私を夜明けへと誘ってゆく。
君と夜明けに咲いて、夜明けとともに眠る。
9/14/2023, 10:57:38 AM
お題《命が燃え尽きるまで》
茜色の空が朱く朱く、瞳を染める。
服も、手も、みんな茜色の空になる。
命の焔を燃やす旅路。
復讐という名の理由を名づけたこの旅路は、きっと誰も救わない。幸せは、もう二度と咲かないだろう。
それでもいい。
「俺の意味は……俺が決める。そこに、誰かの意思などあってなるものか」
誰も何者にもなれない。
だったら――死ぬまで、俺の自由だ。
9/2/2023, 12:37:21 PM
お題《心の灯火》
流転しながら命は物語を繰り返す
煌めきを灯し
次への時代へ繋いでゆく
心は数多《あまた》の旅路を紡ぎながら物語を織ってゆく
ねぇいつか聴かせてよ
君だけの心の灯火を
9/1/2023, 11:16:27 AM
お題《開けないLINE》
春夏秋冬。
君と季節を巡った。
花の海が広がり、花が終焉を迎え。
季節の落とし物が降る、六花を越えて。
君とささいなことでケンカしなければ――時の足音は、止むことを知らない。
それでもいつかまた――そう夢を見ずにはいられない。
開けない君との手紙は、いばらの森の向こう。
8/30/2023, 11:24:41 AM
お題《香水》
見慣れた町の。
見慣れたカフェの、知らない物語。
翡翠の木々が眩しいカフェテラスの一角。月を淹れたような香水瓶片手に、流暢な語り口調で、その香水の物語を聞かされる。
青いビロードのような瞳を持った、美しい陶器のような彼は、カフェで異彩を放つ。
惹かれてしまった《引かれてしまった》
町の片隅で壊れていた時に、笑顔で、その香水の香りを知ってしまったら――もう、後戻りはできないのだから。