椿灯夏

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6/25/2023, 3:52:55 PM

お題《繊細な花》





儚げに微笑む花に触れる。



壊れてしまいそうな幸せほど、どうして透明な輝きを放つんだろう。




瞳からあふれる泉が、僕を彷徨わせる。





――罪悪感から始まる幸せに、幸せな結末など存在しない。


6/25/2023, 9:16:01 AM

お題《1年後》



通り過ぎてゆく泡沫の季節。


「もう会わない」と告げられた桜雨のあの日。



悪戯に歯車は廻り――1年後の雑踏の海で、また君と邂逅を果たす。

6/20/2023, 11:08:48 AM

お題《あなたがいたから》




ありがとう。



出逢ってくれた人、これからまだ見ぬ出逢う人よ。



これを読んでくれた、あなたに心からありがとう。



ありがとうから始まるよ夜明けは。

6/18/2023, 3:33:55 AM

お題《未来》


子供の頃描いていた遠い未来は、今生きてる真実よりずっとずっと、輝いていた。



でも現実は砂糖菓子のように甘くもない。



それでもそんな悪夢のような日々でも、味付けによっては変わっていくかもしれない。



万が一自分の物語が美味しく料理できなくとも大丈夫だ。一緒に食べて、考えることはできるから。



人は、そうであってほしい。


6/13/2023, 11:46:27 AM

お題《あじさい》



灰空で気持ちが沈む通学路。


坂道の端に植えられた紫陽花。


想えば想うほど。


泣けば泣くほど。



あなたの消えたあの朝を。


あなたと約束したあの刹那を。



後悔しない日はない――六月の罪と呼ばれた、あの悪夢を。




「紫陽花なんてダイキライ」


「あの日の罪が沈むことはない」


「…………おれはもう、いないんだよ」




六月の罪を。


六月の罪が。



変えてしまったんだ、世界のことわりを。


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