月下の胡蝶

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お題《あじさい》



灰空で気持ちが沈む通学路。


坂道の端に植えられた紫陽花。


想えば想うほど。


泣けば泣くほど。



あなたの消えたあの朝を。


あなたと約束したあの刹那を。



後悔しない日はない――六月の罪と呼ばれた、あの悪夢を。




「紫陽花なんてダイキライ」


「あの日の罪が沈むことはない」


「…………おれはもう、いないんだよ」




六月の罪を。


六月の罪が。



変えてしまったんだ、世界のことわりを。


6/13/2023, 11:46:27 AM