2/28/2023, 10:11:53 PM
お題《遠くの街へ》
こどもの頃電車は、夢の国へ旅立つ魔法使いのようだった。
まだ見知らぬ遠くの街はどんな色をしているんだろう、どんな夢を魅せてくれるんだろう――それは夢幻のように、儚く煌めくひととき。
2/27/2023, 11:05:16 AM
お題《現実逃避》
旅人になった。
数えきれない異国の物語。
――ここではない何処かへいこう。夜に落ちて、露となって消えてしまう前に。
救われない物語になってしまう前に。
「俺は何処でも、何処まででも――君についていくよ」
太陽が輝く前に、夜色の外套を纏い、星々の煌めきを持つ旅人と出逢った。瞳の奥は青く澄み渡る――。
あなたとなら、きっと千の物語だって紡いでいける。
2/25/2023, 1:04:10 PM
《茜色の魔法使い》走り書きのためあしからず……。
「物語に出てくるようなすごい魔法使いじゃないから、世界は変えられないけど――でも君の日常は変えてみせるよ」
嘘月な魔法使い。
そんな事できるわけないじゃない。
できるはず、ないじゃない。
優しい橙色に染まる校舎の教室で、私は泣いてしまった。
――ずっと我慢していたのに。
学校では絶対泣かないって、誓いをたててたのに。こんなにも脆く儚い誓いなんだって、今目の前にいる現代の魔法使いに教えられた。
この、茜色の魔法使いに。
2/25/2023, 4:03:21 AM
お題《小さな命》
膝にちょこんと座る生き物からは陽だまりの匂いがした。
声を聞くと愛おしくて、傍にくると触れずにはいられないやさしさの集合体。
《叶》と名付けた君は――今はたくさんの幸せを叶えて、私の幸せも叶えてくれる。
「叶」
――ほらすぐ傍に来てくれて、すり寄って来てくれる愛しい小さな命のかけら。
2/22/2023, 11:47:59 AM
お題《太陽のような》
太陽のような淡い金色に輝く蝶を見た人は幸せになれるんだって。
あ、でもね。それは――あの世で叶えられる幸せだよ。