月下の胡蝶

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《茜色の魔法使い》走り書きのためあしからず……。










「物語に出てくるようなすごい魔法使いじゃないから、世界は変えられないけど――でも君の日常は変えてみせるよ」



嘘月な魔法使い。


そんな事できるわけないじゃない。


できるはず、ないじゃない。



優しい橙色に染まる校舎の教室で、私は泣いてしまった。



――ずっと我慢していたのに。



学校では絶対泣かないって、誓いをたててたのに。こんなにも脆く儚い誓いなんだって、今目の前にいる現代の魔法使いに教えられた。




この、茜色の魔法使いに。




2/25/2023, 1:04:10 PM