椿灯夏《少しずつ削除します》

Open App
11/30/2022, 3:04:37 AM

お題《冬のはじまり》



冬の淡い陽が天窓からさしこむ。

森は眠り夢幻に包まれている。




氷の精霊の朝が始まる。

花の精霊が彩り鮮やかな朝食を運んできて、始まる冬のおとずれ。


冬のはじまりは花と。



11/25/2022, 10:32:04 AM

お題《太陽の下で》




慈しむその煌めくやわらかな光の下で


僕らは自由になる


鳥になれなくとも


魚になれなくとも



――僕らは自由だ

11/9/2022, 2:12:43 PM

お題《脳裏》


現実は鈍色にくすんだ、まがいもの。


教室の喧騒から遮断された世界にわたしはいる。


脳裏に住む少年――ナナシは今日も笑顔で、わたしを迎えてくれる。



「今日も外の世界は騒がしいね」

「そうなの。先生の話はつまらないし、周りは毎日くだらない日常話ばっかり」

「はは、まさにそのようだ。ほらまた弱い者いじめしてるよ」

「松田くん――標的にされてるんだよね。かわいそうに」


同情はするが、めんどくさいことに関わる必要はない。



「ほら、そろそろ休憩時間終わるよ。行っておいで。――ここで、待ってるから」


「うん、いってきます」




夢から現実へ――。



11/8/2022, 11:27:12 AM

お題《意味がないこと》



終わってしまった今日は、もう変えられない。


なら進むしかない。


怒り悲しみ続けることに意味はないのだから。


足掻いて


足掻いて


未来を創造するんだ。


終わってしまった今日を、意味がないことにはさせたりしない。




11/4/2022, 5:14:50 PM

お題《哀愁をそそる》


月の壊れた夜には剣が夢をさす。


触れたのは、自分の甘さと愚かさ。



Next