10/17/2022, 5:02:11 PM
お題《忘れたくても忘れられない》
血にまみれたその手で。
儚げに微笑み――「もういいよ。解放してあげる」
あなたは最初から最後まで最悪だったわ。
いきなり現れて、強引なくらいに迫っておいて、子供みたいに無邪気で。
――ねぇ、どうして最後はあっけなく置いていくの?
離れていくの?
なのに、あなたは。
呪いのように記憶へ鮮明に残り続けるなんて、あんまりじゃないの。
これじゃあ、忘れたくても忘れられない……。
血の色が、血の香りが、呪いとなる。
10/16/2022, 5:21:43 PM
お題《やわらかな光》
どんなに昏い水底にも月灯りはさしこむ。
わたしを迎えにくる。
いじめの沼は深く濃い。言葉の毒や暴力の傷は、わたしを鳥籠へ閉じ込めてしまう。もう二度と誰かと――希望を、持ちたくないんだ。
なのに、あなたはわたしを迎えにくる。
「学校が怖いなら、俺のとこへおいで」
「どんなに高位の者であろうと、やってることが最低なら人間として愚かだ」
「わかるよ。俺とおまえは似ているから」
――あなたを知りたくなっちゃうのは、似ているから。
――せめて。せめて、おまえだけは。
それぞれの痛みを照らすのは、光(自分)。
10/15/2022, 6:26:15 PM
お題《鋭い眼差し》
その瞳の中に燃える希望の炎。
決して折れることはない心は、悪夢を薙ぎ払う。
困難に打ち勝つのは想いの炎だけ。
想いは困難の夜を黎明の希望に変えて。
10/12/2022, 2:09:59 PM
お題《放課後》
君と帰りたい。
君と約束したい。
君としたいことがたくさんある、放課後。
10/11/2022, 12:17:39 PM
お題《カーテン》
金木犀の香りがする季節。
淡いカーテン越しに、君を盗み見。
ほんの少しの勇気があれば伝えられるのに。
君が近くて、遠い。
君の隣には、いつも笑顔のかわいいお姫様。
胸巣食う錆びた感情。
わたしが行き着く先は――泡となって消えるお姫様。