お題《やわらかな光》
どんなに昏い水底にも月灯りはさしこむ。
わたしを迎えにくる。
いじめの沼は深く濃い。言葉の毒や暴力の傷は、わたしを鳥籠へ閉じ込めてしまう。もう二度と誰かと――希望を、持ちたくないんだ。
なのに、あなたはわたしを迎えにくる。
「学校が怖いなら、俺のとこへおいで」
「どんなに高位の者であろうと、やってることが最低なら人間として愚かだ」
「わかるよ。俺とおまえは似ているから」
――あなたを知りたくなっちゃうのは、似ているから。
――せめて。せめて、おまえだけは。
それぞれの痛みを照らすのは、光(自分)。
10/16/2022, 5:21:43 PM