月下の胡蝶

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9/9/2022, 12:10:24 PM

お題《世界に一つだけ》





あなたの心はあなただけのもの。


そこには、あなたの意志がある。



世界に一つだけの煌めきが。

9/8/2022, 11:31:57 AM

お題《胸の鼓動》


それは琥珀糖のように煌めいて。



木漏れ日のやさしい午後。


三日月駅にて電車を待っている。



――あの雲綿菓子みたい。あー花さんの花の蜜漬けと花糖菓子たべたいなあ、食感ふわりとして、すぐ夢みたいにとけちゃうの。


あの木見てると、翡翠のクリームソーダを思い出す。泡沫の音が心地いい音色。



そこへふわりとあまい香りが、お腹をくすぐる。


「また甘いものの事考えてたの」


キャラメル色の髪と着崩した制服。


でも貴公子扱いされる、三日月学園の王子様。
(名前なんだっけ?)


「りんごと紅茶のクッキーとハニードーナツ、どっちがいい?」

「はい?」

「甘いもの好きなら、君のおやつは俺が用意してあげるよ。いつも金木犀の丘で甘いもの作ってるから」

「はい! 喜んでお受けします」




これが恋のきらめきなら、なんて美味しいんだろうか。

9/7/2022, 11:33:35 AM

お題《踊るように》


雨乞い。



少女は踊るように歌う。

粗末な布を纏っただけの少女は、青の王の目にとまった巫女だった。

王を目の前にしても臆することなく、生き生きとした歌を披露した。誰もが歌に聴き入り、そして涙する。

その歌は、天をも動かす。


やがて雨が降りだす。その奇跡の光景に、青の民は抱き合って喜び合う。




美しいな。


僕の価値観を変えてしまった瞬間から、もう目が離せない。




青の王はふっと微笑み、少女の名を呼んだ。


9/6/2022, 3:57:48 PM

お題《時を告げる》


時の歯車が狂いだす。



なんて滑稽な物語だろう。


「――騙したの」


蒼白の表情で、やっとの思いで紡ぎだした少女。


目の前にいる青年はにこにこしているのに、氷のように冷たい。


「人聞き悪いなあ。オレはちゃんと、君の望む恋人だったでしょ」



“やさしくて、あたたかい。一緒にいると、すぐ笑顔になれる人がすき”



ちがうちがうちがう――……私が!

私が本当に望んだのは!!



「ソルトは、こんなこと望む人じゃないっ」


「――君の知ってる“ソルト”は、でしょ。君は一体“ソルト”の何を知ってるの?(時は告げた)」


「ソル……?」


「夢は終わりだよ。――もうすぐ夜明けだ(さよならオレが、ほんとうに愛した人)」






時は告げる。――終わりの始まりを。



9/5/2022, 11:15:20 AM

お題《貝殻》




月の海。

月の女神と笛吹きの少年が文を結ぶとき、海は淡い金色に輝く。


砂浜に落ちているのは月真珠の貝殻。

耳にあてると、月の女神の歌が流れてくるらしい。



月の女神。天では星座のみんなとお茶会を楽しんでいる。季節ごとに、その時々のお茶とお菓子を用意する。地では、旅人や自然の精霊たちと文を交わす。想い人と文を結ぶときのみ海が輝く現象がなぜか起きる。


笛吹きの少年
夜の海で笛を奏でるのが好き。笛の音色に惹かれた月の女神が文をよこしたところ、そこから交流が始まり相思相愛になった。ときおり月の女神が、天から降りてくるのだとか。

もし偶然見かけたら、あなたに幸運が訪れるかも?


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