蒼月の茜雲

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6/22/2023, 1:33:28 PM

テーマ“日常”

『にぁー…』
雨の日が続き、家の中に居るコダマ(猫)
駆け回る事もせずに
雨音に耳を澄ませているようだ。
コダマは、水が苦手だ。
その辺は普通の猫と変わらない(猫も様々だけれども。)
『にぁー…』
時折、何やら鳴くけれども
構ってほしい訳でも無さそうだし
餌やオヤツをねだっている訳でも無さそうだ。

雨音と会話をしているのかとも思ったが
その辺はよく分からない。
もしかして、具合が悪いのか?
と思ったが、それも違うようだ。
「コダマさん、どうしたんだ?」
さん付けで呼んで見る。
『にぁー…』
僕の方をちらりと見たが
それっきり、何も無かった。


猫は謎だ。
ただ単に出掛けられないのが辛いのかもしれない。
けれど、謎だ。

6/13/2023, 12:41:56 PM

テーマ“あじさい”


君が好きな花は“あじさい”だった。
僕は君に似ている花が“あじさい”だと思う。
見た目では無く
“あじさい”の花言葉は
移り気、浮気、無常

君は浮気症でそして
移り気が激しい。
無常……君は、気が付くといつも
変わっている。

髪の色、爪の色、好きな服装、メイク
よく、飽きもせずに
変われるなぁと、そう思う。

そんな君が一貫して
“あじさい”を好きだと言う。

そこだけは、“あじさい”と似ていないな
そう感じた。

6/12/2023, 10:03:05 AM

テーマ“好き嫌い”

好き嫌いは駄目だとか
綺麗事だと思う。

世の中、嫌いな物があって
当たり前だと思う。

食べ物、生き物、音、匂い
すべて、好きな人なんて居ないだろう。

6/4/2023, 2:55:29 AM

テーマ“失恋”

もう、どのくらい泣いただろう。
ずっと、頭の中で同じ場面をループしている気がする。

「好きです」
「ごめん。俺は君を嫌い」
そんなハッキリ言わなくても
そう思った。
嫌われる事をした記憶も
好かれる事をした記憶も
そもそも、会話すら余りした事が無いのに
いつの間にか嫌われていた。
別に、付き合えたらとは思っていない。
好かれているとも思っては居なかったし。
認識をされていると思っていなかったし。

告白をするつもりも無かったのに
何故か告げていた。
見かけて、声を掛けたはいい物の
何を話したらいいのか分からなくなり
つい、言っていた。
「好きです」
に、まさか
「嫌い」
だと返って来るなんて思いもよらなかった。

見つめているのがバレて気持ち悪いと思われていて
嫌われていた…とか?

彼がモテないなら、そうだとしても(酷い言い方)分かるけど
彼は人気者だ。
そんな彼を何処で誰が見ていても、噂していても、全く気にしてないと思っていた。

それなのに、嫌われていた?
私の存在そのものが、彼の好みからかけ離れていたとか、そういう理由だろうか。
別にストーカーしていた訳でもないし
隠し撮りをしていたとかも無い。

それなのに、振られた?
意味が分からなすぎて、ずっと泣いている。
辛い悲しい苦しい切ない。

…失恋の悲しみよりも
混乱して涙が出ているだけなのだろうか。

6/1/2023, 3:44:14 PM

テーマ“梅雨”

学校の教室。
登校時は晴れていたから、傘を忘れた。
外は雨。今は放課後。
帰宅部だからさっさと帰って
ぐうたらしようと思っていたのに
傘が無いから帰れない。
迎えに来てもらうにしても、両親ともまだ仕事中。
祖父母はどちらもかなり遠距離(笑)
兄弟姉妹居ないから
途方に暮れている。
学校に自由にお使いくださいの置き傘は
あったけれど
残っていたのは、明らかに
穴が空いていたり、錆びていたり
ホコリを被っていたり、蜘蛛が巣を張っていたり
正直触りたくない。
潔癖症では無いけど、流石に無理。
教師には、親の仕事が終わるか、雨が止むまで
教室に居させてほしいと頼んである。
渋々ながらも、承諾してくれた。

田舎の学校。コンビニまで片道20分。
その間にずぶ濡れになる。
夏服に変わったばかりだから
雨に濡れたくない。
ブラウスが透けて下着が!とかそう言うのでは無く(ベストがある)
ブラウスが体に張り付くと、簡単に脱げなくなる(着替えの時)のが嫌。
ぐうたらタイムが、減る。
いや、既に減っては居るんだけど。

「あれ、えっと…」
教室の出入り口に、同じクラスでサッカー部のカナメくん(名字)がいた。
「あ、教室に用事だった?着替えとかするなら外出ていようか?」
椅子から立ち上がると
「いや、えっと、君…帰宅部だよね?帰らないの?」
陰キャでカースト最下層の私を知っているだと?
名前は知らないようだが。
「それがですね、傘を忘れて。学校の置き傘もまともに使えそうなのは無くて」
「凄い雨だよね。台風並みって言ってた」
「台風!?」
「ああ、いや、今ここにあるのがじゃなくて…」
つまりは、物凄く豪雨が降ってる地域があるらしい。
「迎えは?」
「うちの両親、まだ仕事中で。」
「そうなんだ?…あの、良かったら、途中までかもしれないけど、一緒に帰らない?」
「え゛!?」
今まで出したことがないような声が出た。
「嫌ならいいけど、困ってる人は放っておけないし」
「駅まで行きます?」
「地下鉄?」
「そうです。」
「…地下鉄通学だったりする?」
「そうですね。」
「……俺もなんだけど」
「わぁ、何という偶然。」(棒読み)
私は知っていた。何度が同じ車両になったこともあったし、隣に立ったこともあった。(偶然)
「じゃあ、地下鉄の駅まで一緒に帰ろうか」

…本当に良いんだろうか。
私。
だが、迷わない。好意は受け取る!
「ありがとう、よろしくね。」
そう言って、カナメくんがユニフォームから
制服に着替えるのを待ち(見てはいない)
一緒に帰った(駅まで)。


陰キャが一瞬だけ
陽キャに慣れた瞬間だった。

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