テーマ“透明な水”
ああ、私は今…夢の中に居るんだなと感じた。
手を零れ落ちる水はなんの温度も感じない。
手から零れ落ちるだけにしては、量が多い。
上から水が降り注いでいる訳ではないのに、止めどなく溢れている。
この手から溢れている水は
きっと私が諦めた夢の数。
何にもなれなかった私の夢が
夢の中で、ただの透明な水になって
止めどなく零れ落ちている。
両の手を離すと、今度は、目から
細々とした、透明な塩水に変わる。
夢を諦めた後悔が、涙に変わり
止めどなく零れ落ちる。
さっきまで、水を溢れさせていた両の手を使い
涙を拭う。
拭っても拭っても、止まることを忘れてしまったのか
涙は止まらない。
このまま泣き続けたら、私は干からびてしまう。
そう思いながらも、現実では泣く事を忘れてしまった私は、夢の中だから、今まで忘れていた分
泣こう。そして、目を覚ましたら、この夢を忘れよう。
そう思い、延々と泣き続けた。
(テーマあんまり関係ないな)
テーマ“後悔”
私の人生は殆ど後悔で出来ている。
ああすれば良かった。
あの時、あんな事しなければ良かった…。
とか。
まあ、後悔するという事は
何かをしたという結果なのだから、
(何もしなかったと言う後悔も、あるけれども。)
少しだけだけど、後悔が薄れたり……
しないかなと思ったり。
………買った果物
大事に大事に食べていたら
最後辺り、腐っていたと言う後悔は
何度か繰り返す。
大事に取っておいた
好きな食べ物、誰かに取られた
と言う後悔も…
結論。食べ物の恨みは忘れぬ…
テーマ“刹那”
月がてっぺんに昇る頃
私は、駆けていた。
侍が闊歩する時代にタイムスリップしてしまった私は
たまたま着ていたのが浴衣だったという事もあり
難なく、この時代に馴染みつつあった。
そう、そのせいで、油断していたのだ。
この時代に、偽名を名乗っている隠れながら活動していた人の本名を
思わず呼んでしまった。
数刻前まで、笑顔で話をしていた人が
私に刀を向ける。
あ、ヤバい。
そう思った。
足をもつれさせながらも、彼らから逃げる。
隠れる場所などない。
何故なら、此処は彼らの縄張りだから。
身を隠す術は彼らには敵わない。
「居たぞーー!こっちだー!」
なんて声が聞こえ、前後左右全ての道を塞がれている。
ああ、私もここまでか。
そう思った。
なぜ今日なのか。
なぜ今日はこんなにも月が大きいのか。
スラリとした白刃が私に振り下ろされる。
その刹那、私は走馬燈を見た。
(歴史物のゲームをやった影響で、こんな話になった。)
テーマ“たとえ間違いだったとしても”
前から手を振ってくる人がいる
私の前には、その人しか居ない。
知り合いかと思い手を上げかけるが
私の後ろから、その人に向かってかけてくる人がいる。
コソコソと馬鹿にしたように
その二人組はチラチラと見てくる。
たとえ間違いだったとしても
その間違えた人をクスクス笑う人は
ちょっとした、不幸にあって欲しいと思う。
わざわざ離れた所から
間に人が居るにも関わらず
手を振るのはどうかと思う。
間違えた人がとても気不味くなる。
間違えた人が悲しくなる。
同じ思いを味わえ
とか思う。
テーマ“何もいらない”
自暴自棄。
もう全てどうでもいい。
だから、その優しい言葉も
何もいらない。