蒼月の茜雲

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テーマ“透明な水”

ああ、私は今…夢の中に居るんだなと感じた。
手を零れ落ちる水はなんの温度も感じない。
手から零れ落ちるだけにしては、量が多い。
上から水が降り注いでいる訳ではないのに、止めどなく溢れている。

この手から溢れている水は
きっと私が諦めた夢の数。

何にもなれなかった私の夢が
夢の中で、ただの透明な水になって
止めどなく零れ落ちている。
両の手を離すと、今度は、目から
細々とした、透明な塩水に変わる。

夢を諦めた後悔が、涙に変わり
止めどなく零れ落ちる。
さっきまで、水を溢れさせていた両の手を使い
涙を拭う。

拭っても拭っても、止まることを忘れてしまったのか
涙は止まらない。

このまま泣き続けたら、私は干からびてしまう。
そう思いながらも、現実では泣く事を忘れてしまった私は、夢の中だから、今まで忘れていた分
泣こう。そして、目を覚ましたら、この夢を忘れよう。

そう思い、延々と泣き続けた。

(テーマあんまり関係ないな)

5/21/2023, 2:12:17 PM