テーマ“何気ないふり”
学校の廊下。
何気ないふりをして
偶然を装って君の事を待ってみた。
君が教室から出てくるのを見つけて
何気ないふりをして
近付こうとした。
けれど、無理だった。
君の横には、私が知らない子が
ピッタリと寄り添っていたから。
それを見た瞬間、慌てて
君に背を向けた。
何気ないふり失敗。
そんな事するくらいなら
君を呼び出して一緒に帰ろうって
誘えば良かったな。
断られるとしても。
…何気ないふりをして
気付かないふりをして
その関係ブッ壊しても良いかな?
駄目かな?
テーマ“ハッピーエンド”
王子様とお姫様は
幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
と言うのが、女の子向けの童話の最後の締めくくり。
ハッピーエンド
良かった良かった。
と思えていた幼少期から
捻くれてしまった今。
本当にハッピーエンドなのだろうか。
シンデレラは、継母や、継姉に、いびられて居たのに
きちんと、貴族としてのマナー出来るのだろうか
とか
白雪姫って、姫っていうくらいだから
何処かの国の姫だから、
おそらく別の国の王子と結婚するにしても
色んな揉め事が起こりそうだとか…
その国が、同盟国ならまだしも、敵国だったとしたら
ロミジュリ展開になり得るのでは…とか。
そういう事を考えてしまう。
本当の意味のハッピーエンドとは、なんだろうと考える。
ちなみに、メリーバッドエンドが
ある意味1番ハッピーエンドなのではと思う。
テーマ“好きじゃないのに”
何でだろう。
嫌いなはずなのに、好きじゃないのに
こんなにも気になってしまうのは…
毎年毎年、泣かされて
辛い思いをしているのに
こんなにも考えないといけないなんて……
花粉症…っ
大嫌いなんだからね!?()
テーマ“二人ぼっち”
夜の帳が下りる頃
僕達は、教室で二人ぼっち。
さっきまで、賑やかに
部活に勤しんでいた生徒たちももう居ない。
いつから待っていたのか
スヤスヤと寝息を立てるキミ。
『おーい、起きろー』
って声を掛ければ起きるのだろうけれど
キミの寝顔があまりにも、美しく、
このまま見つめていたいと思う。
もう、外は暗くなりつつあるのに、
キミだけが輝いて見える。
気のせいだけれど。
いつもは、バカみたいなことを言って
笑いあっているのに
この寝顔を見てしまったら…
今まで感じなかった想いを胸に感じながら
もう少しだけ……
見つめていても良いだろうか。
伝えられない想いを胸に、キミに見惚れる。
テーマ“夢が醒める前に”
ああ、コレは夢だ。
そう思った。
何処までも何処までも沈んでいく。
色のない、音のない、匂いのない、温度もない
多分水の中。
多分海の中。
もがく事もせずに、ただ沈んでいく。
浮かび上がる努力はしない。
浮かび上がると息苦しくて
このまま沈んで行くほうが楽だと知っているから。
『…げるな!…が…けるから』
何か声がする気がする。
誰の声かは分からない。
突然目の前に手が現れた。
グッと腕を掴まれた気がして、ふっと楽になる。
浮かび上がったのに、息が出来る。
誰かに抱きしめられた気がして、思わず目から雫が零れた。
夢が醒める前に
『大丈夫。君は………』
誰かに何か言われた気がする。
目を覚ますと、どんな夢を見ていたか
覚えていない。
けれど、何かに誰かに救われた気がした。