テーマ“風邪”
風邪を引くと
いつも、母が桃の缶詰を食べさせてくれた。
桃の缶詰を食べたいが為に
風邪を引こうと思った事もあったが
流石に、辛い思いをしたくないので
無理矢理風邪を引くような事は
しなかった。
風邪の時以外で食べる
桃の缶詰は、そんなに美味しくなくて
(不味くはないが)
やっぱり風邪の時に食べるから
特別なんだなと思う気がした。
テーマ“仲間”
正直、私は仲間という言葉が嫌いだ。
「俺ら仲間じゃん?」
「私達、仲間だよね?」
そう言う圧力をかけてくる奴らが
嫌いだ。
口では仲間だとか言いつつ
「アイツ、鈍くさいから、邪魔。」
「アイツ、仲間って言っておけば雑用全部引き受けてくれるよ」
そんな事を言われてるのを偶然聞いてしまった。
知っていた。
全部わざわざ陰口を叩かれるまでもなく
仕方なく仲間と言われてるのも
雑用を押し付けられているのも
知っていた。
知っていながらも仲間から抜けないのは
それが、強制だからだ。
学校の同じクラスの生徒と言う仲間。
友達では無く、仲も良くないのに
寧ろ、イジメまがいの事をされているのに
“仲間”と言われ、抜け出せない程の圧力をかけられる。
本来なら逃げても良いはずなのに
逃げるという言葉が浮かばない程に
心はズタズタになっていた。
逃げたいと思ったとしても
逃げ場所がない。
親に相談したところで
転校も出来ないだろうし
学校に相談したとしても
担任はクズだった。
「イジメなんて気のせいだ。お前の勘違いだ」
と言うような人だった。
元々、信頼はしていなかったが
そう言われたら、もう何も言えない。
それどころか、このクズは
「えー、このクラスでイジメがあると、相談がありました」
そうホームルームで言った。
「心当たりがある人は、俺の所に来なさい」
行くわけがない。
虐めている側にはその自覚が無いのだから。
自覚があったとして、わざわざ
虐めてますなんて報告に行かないだろう。
…この発言により
私に対しての風当たりは強くなった。
私が相談したと知られた訳じゃないのに(察したんだと思うけれど)
“仲間”と言う言葉を今まで以上に使いつつ
私に対して嫌がらせは酷くなった。
だから、仲間と言う言葉を
信じられないし嫌いだ。
漫画やアニメなどの
仲間には憧れるけれど
現実世界の仲間という言葉は
信用できないと思い知らされた。
(半分くらい事実)
テーマ“ありがとう、ごめんね”
最近、友人からの返信が無い。
「ねーねー、今日、私の誕生日なんだけど」
と、別に祝って欲しいわけじゃなくて
連絡が欲しいから気軽に送ってみた。
『あ、ごめん、忘れてた』
って返事が来るかなと思って
待っていたのに
彼女は、
SNSに
『めっちゃウザい奴がいるんだけど
お前に友達なんか居ねぇよ
みんなお前なんか嫌いなのに
嫌われてる事気付かないなんて
馬鹿じゃん?』
と言う内容がアップしただけだった。
わざわざ、私が連絡した直後
私の誕生日にアップするという事は
私に対しての当てつけなのだろうと
即座に理解した。
泣くとか、怒りとかそういう感情より
ただ、心を潰された気がした。
だから、私は
返信不要で最後に送った。
返信が来ても、もう返さない気持ちで。
「長い間、友達としていてくれてありがとう。
貴女の私に対しての想いはよく伝わったよ。
もし、このメールが読まれなかったとしても
もう、二度と連絡しないから。
ずっと、迷惑だってことに気付かなくてごめんね。」
少しだけ、期待していた。
電話が来るかもしれない。
返信が来るかもしれない…。
だけど、電話も返信も無かった。
あれから、数年が経過したけれど
何も無い。
あっさりと、終わるような友情だったんだと
未だに思い込もうとするけれど
彼女と過ごした楽しかった日々
嫌われてたと気付かない鈍い私。
全部、忘れられたら良かったのに。
(実際にあった事)
テーマ“眠れないほど”
眠れないほど
悩んで悩んで悩んで出した結論だったはずだったのに
あっさりと
それを否定される。
他でもない自分に。
本当に嫌になる。
テーマ“夢と現実”
とても、暖かかった。
パパとママと私。
晴れた日にピクニックとか行って。
一緒に遊んだり
お話したり。
そんな夢を見ていた。
私が全く経験したことのない夢。
だって私は…
ゴミ袋に囲まれた部屋。
開かない窓。
何ヶ月も開かないドア。
時々誰かが外から殴ったり蹴ったりする音だけはする。
真っ暗な部屋に動けない私が居る。
どのくらい食べ物を口にしていないんだろう。
どのくらい飲み物を口にしていないんだろう。
誰かに抱きしめられた記憶も
笑いかけられた記憶もない。
そもそも、私は今、生きてはいないと思う。
それが、現実。
誰も私の存在を見つけてくれなかった。
それが、現実。
パパとママという存在は
いつの間にか私の前から姿を消した。
それが、現実。
(フィクションです)