テーマ“ススキ”
家の外を眺める
風に揺れる、草…ススキと言うらしい
隣には、ヌシ(ヒト)
ヌシの横はいつも、ポカポカで
何処へでもついて行きたくなる。
ただ、水が流れ出す
スイドウがあり、水が溜まっているフロに
ヌシが居るときは
その部屋の前で待つ。
おもむろに、ヌシが立ち上がり
目の前の、大きな窓を開けた。
「にぁ?」
今日は出かけないよ。
ヌシが居るから。
そう告げたのに、ヌシは
なんだか出て行ってほしそうにしていたから
ノロノロと外に出てみた。
外に出たら、さっきから揺れていた
ススキが気になり始めた。
もう気になりだしたら
終わらない。
ススキVSボク
「にぁーーー!」
戦う。
風に揺られているススキは
思いの外強くて
だけれど、ボクの中の闘志が燃え上がる
「にぁーー」
負けない!
どのくらい戦っていたかは
知らない。
「コダマ、おいで」
ヌシがボクの名前を呼ぶ。
ボクは
「にぁっ」
今回はこのくらいにしといてやる
そう言い残して、ヌシの元に駆け寄った。
「あー…ススキまみれになって…」
「にぁー?」
ススキまみれ?そう言われると
なんだか体がムズムズする気がする。
ヌシは、ブラシを持ってきて
ボクの毛づくろいを始めた。
…ススキめ…
こんなに、ボクをよごして…
次こそは負けない!
そう、思った。
(前に書いた物の、猫(コダマ)視点)
(シリーズ化するつもりはなかった…)
テーマ“脳裏”
夜、布団に入り
ふと、脳裏に浮かんだのは
ガスの元栓切ったっけ
という不安だった。
布団から抜け出し
ガスの元栓が閉まっていたことを確認し
布団に潜り込む。
そうして
次に脳裏に浮かんだのは
玄関の鍵閉めたっけ…
と言う事。
いつもは、帰宅してそのまま閉めるのだが
今日はトイレに行きたくて
鍵を閉めずに
トイレに向かった気もした。
仕方なく、再び
布団から抜け出し
玄関を見てみる。
鍵が閉まっていたことを確認し
布団に戻る。
だが、ふと
布団に戻った瞬間
トイレに行きたくなり
またしても、布団から抜け出さなければならなくなる。
トイレに行ってから
手を洗い、今度こそ
眠りにつこうと布団に入る。
そうして、また脳裏に浮かぶ
不安。
トイレの電気消したっけ…。
気が付けば、いつも眠る時間より
随分遅い事に気が付いた。
一度に済ませられたら
こんな事にはならないのに…。
そんなことを考えながら
眠りにつこうとする。
が、しかし。
目覚ましのアラームをかけたか
と言う不安が脳裏に浮かぶ…
私はいつになったら
眠りにつけるのだろう。
(多分、意味合い的にはあってるはず…)
テーマ“意味がないこと”
子供の頃やっていた遊び。
シャープ(♯)みたいなマークを書き
その中に
〇か×を書いて、どっちが先に
縦、横、斜め
先に1列作ると勝ち
みたいなゲーム。
子供だったから楽しめたのか
あの頃だから楽しめたのか…。
今考えても、大して意味は無いけれど
時間の無駄だけれど
気になってしまう。
もし、子供の頃に戻れたとしても
きっと負けるんだろうなと
全く、意味がないことを考えてしまうほど
今の生活が辛いのかもしれない。
テーマ“あなたとわたし”
いつも、比べられていた。
近所に住んでいて
親同士が仲良くて
それでも、
「近所のレイカちゃんは
成績も良くて運動神経もいいのに、何で貴女は…」
って言われて生きてきた。
レイカは、私より先に結婚し、
子供を産んだ。
そのせいで、また最近
「レイカちゃんは、もう二人目産んだって。貴女は?結婚は?出産は?まだなの?」
母親に言われる。
「仕事が忙しいから、切るね」
そう言って、通話を切る。
結婚?出産?誰もが当たり前に出来る訳じゃない。
恋愛だって…
例え、マッチングアプリを使っても
無理。
ねえ、お母さん、私…
子供を産めないんだよ。
そう言ったら、貴女はなんて言うかな?
テーマ“一筋の光”
弱小運動部が
全国大会優勝を目指す。
そして、その中心に居るのは
今年入学してきたばかりの
新入生。
天才の彼が居れば、俺達が優勝する!
……なんてありがちの
少年向けのスポーツ漫画。
入学してきたばかりの1年に
そんな期待しても
現実はそうなる事はなく
結局は自分達の努力と実力を
付けていかないといけない。
例え、本当に天才少年が入部してきたとしても
その1人だけに任せて
自分達は普段と変わらぬ練習しかしない。
優勝なんて夢のまた夢。
一筋の光が差したとしても
その光を消す程の、闇が自分達だと
気付かないだろう。
(一筋の光ってそもそも、すぐ消えそ…)
(多分こういう意味じゃないだろうな。)