蒼月の茜雲

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テーマ“ススキ”

家の外を眺める
風に揺れる、草…ススキと言うらしい
隣には、ヌシ(ヒト)
ヌシの横はいつも、ポカポカで
何処へでもついて行きたくなる。

ただ、水が流れ出す
スイドウがあり、水が溜まっているフロに
ヌシが居るときは
その部屋の前で待つ。

おもむろに、ヌシが立ち上がり
目の前の、大きな窓を開けた。
「にぁ?」
今日は出かけないよ。
ヌシが居るから。
そう告げたのに、ヌシは
なんだか出て行ってほしそうにしていたから
ノロノロと外に出てみた。

外に出たら、さっきから揺れていた
ススキが気になり始めた。

もう気になりだしたら
終わらない。
ススキVSボク
「にぁーーー!」
戦う。
風に揺られているススキは
思いの外強くて
だけれど、ボクの中の闘志が燃え上がる
「にぁーー」
負けない!

どのくらい戦っていたかは
知らない。
「コダマ、おいで」
ヌシがボクの名前を呼ぶ。

ボクは
「にぁっ」
今回はこのくらいにしといてやる
そう言い残して、ヌシの元に駆け寄った。

「あー…ススキまみれになって…」
「にぁー?」
ススキまみれ?そう言われると
なんだか体がムズムズする気がする。

ヌシは、ブラシを持ってきて
ボクの毛づくろいを始めた。

…ススキめ…
こんなに、ボクをよごして…
次こそは負けない!
そう、思った。


(前に書いた物の、猫(コダマ)視点)
(シリーズ化するつもりはなかった…)

11/10/2022, 2:26:49 PM