欲望のままに君の手を取った
生温い汗の混じったあの時間が
私には狂おしく愛おしかった
君の胸元に光るペンダントは
私の知らない君で
見る度に何故か虚しくもなった
夢のような、長くも短くもあるあの日々は
私には耐えられない程の幸せだったと
今になって思い知る
錆び付いたお揃いの指輪はもう要らないと
2人で行ったあの海岸に投げて後悔もした
いつかあの海岸に行こう
そして、砂浜に埋もれた指輪を見つけた時には
君への永遠を誓いに行こう
その頃にはきっと、間違いだらけだった2人も
愛の正解を見つけ出せていると思うから
空風の吹く肌寒いあの季節に
列車に乗って君に逢いに行った日を想う
吹かれる風にどことなく君の香りがして
君といたあの日々を思い出す
「私が居なくても貴方は生きてるよ」
そんな君の声が脳裏に焼き付いて離れない
空風が吹く度に、君の匂いが鼻をかすむたび
未だ生きてしまっている自分を責める以外の
方法が見当たるはずもないのに
僕はいつもどこかで救われたいと嘆いている
誰にも届かない場所へ
誰の声も聞こえない
誰の目にも止まらないような
遠くの街へ
そうしたらきっと
貴方を愛すこともないだろうから
貴方と離れて、私
自分で言うのも変だけど物凄くモテて
もしかしたら貴方より愛してくれる人
要るかなとか思ってみたりもして
現実逃避をするように
その人たちに逃げてみたりもした
でもね
どれだけ話しても会ってみたりしても
不器用に愛してくれた貴方を思い出した
モテたって一つも嬉しくないよ
もう貴方一人を愛せすらしないんだから。
君は今、何を見て何を感じていますか。
君は今、誰と出会って誰を愛おしく思うのでしょうか。
君は今、どんな匂いを嗅いで思い出を巡っていますか。
君は今、どんな音を聴き声を奏でているのでしょうか。
君は今、どんな空を見ていますか。
君は今、どんな風に吹かれていますか。
君は今もなお、私との日々を覚えていてくれていますか?
君は今、幸せですか?