君が私にくれたプレゼントは
憎悪と妬みに溢れる程悲しく苦しい
私が得られなかった君と誰かとの幸せで
私が好きだったブランド
私が好きだった場所
私が好きだった景色
買ってくれも、連れて行ってくれもしなかったのに
いとも簡単にその誰かのSNSには上げられるもので
簡単に捨てられ簡単に奪われて
なにも無くなった私は
きっと、いつかの誰かがくれるだろう愛だって
素直に受け取れないほど歪んでしまったというのに
随分皮肉なものを貰ったのね
最後のプレゼントにしては。
はなればなれになって
貴方は私の事を忘れてしまって
いつか誰かの隣に座って
私と見たあの映画を見た時
いつか誰かと街を歩いて
私が好きだと言った花屋に足を運んだ時
いつか誰かとジュエリーショップにいって
私の薬指にはめてくれた指輪と
同じデザインを見つけた時
貴方はなにを感じるのだろうか
私は未だに、香りに、風景に
嫌という程貴方を思い出し続けてる
どこか哀愁を誘う様な
艶やかな貴方の瞳に惹かれた
どこか遠い空に咲く星のような
儚く消えそうな貴方の笑顔に惹かれた
振り返れば醒めてしまう夢のような
私の心ひとつ抉る貴方の言葉に惹かれた
幻の様なあの時間も
空っぽな私の日々を彩るには充分だった
貴方だけで充分だったんだよ。
私が眠りにつく前に
いつか君が話したあの夢の続きを聞かせて
私の涙が溢れる前に
いつかの君と同じ、大好きだったあの笑顔を見せて
もう二度と戻れないあの日常は
いつの日か私の中で
「もう二度と戻りたくない日常」に変わってた
それは本当にそう思ったものなのか
無理やり気持ちの中に落とし込んだものなのか
自分でも分からないままだから
いつか隣に立つ誰かに
私は同じ答えを問うてしまうのだと思う
私だけが 貴方を受け止められると
いつからかそう錯覚してしまっている私がいて
私が居なくても当たり前に生きていける貴方と
私が居ないと貴方は生きていけないと
当たり前のように思っている私と
きっとそこからズレていたはずの日々の音色が
完全な無音になるのに 時間はかからなかった