「突然オタクのインタビュー」
栗之木「幸福になって欲しい人って誰ですか?」
部長「何それかなり無理くりの突然だね」
栗之木「茶番ですから」
部長「ああそういうメタ発言は栗之木さん(突然生えた女性部員)も新人と同じなんだあ、それはそれで安心するかな。」
栗之木「で、幸福になって欲しい人っていますか?やはり新人ですか?」
部長「メタいこと言うとアイツしか面子がいないってのもあるけど、俺はアイツにはいつも幸福でいて欲しいね」
栗之木「その心は」
部長「アイツ時々ふっとドス黒い影が日常に差す時あるじゃない」
栗之木「ああ、あの人ギャップ持ちですよね。八割バカやってるのに残り二割で不穏な背景が見えるって言うか」
部長「おれ暗いギャップに弱いのね。アイツのはくるというかくるというか…でもおれは他人の不幸でグッとくるような下劣な人間ではないぞ、と」
栗之木「はあ(部長の性癖がよくわからなくて生返事で誤魔化す)」
部長「だから俺的に新人には常に100%で幸福でいて欲しいの。俺の名誉のために。」
栗之木「すいません全然わかりませんでした。」
(背後のもみの木の上からクス玉がパカっと割れて紙吹雪が飛び、もみの木の影からクラッカーを握った新人が食い倒れ人形のような不自然な動きで現れる)
栗之木「100%幸福なようです。」
「風邪」
新人「部長おめでとうございます!」
(ドアを開けると紙袋を下げた新人がかぱっと口を開けて笑っている非現実さに毒気を抜かれる部長の額にはアイスノンが貼られている私服はパジャマ)
部長「何処から注意したものかわかんねえけどまず風邪ひいて寝込んでる人におめでとうって言うのダメ。わかった?」
新人「おかしいですね私風邪引くと必ずおめでとうって言われますよ」
部長(何かを理解したような顔で)「誰に言われているのか知らないがおめでとうという人とは仲良くしてはいけません。まず『モラハラです』と伝えるように」
新人「そうだったんですか!ではこのお土産…ではなくお見舞いですが、3種ありますので小中大どれが良いですか?」
部長「また話題を畳だす…雀のお宿的な趣向なの?お見舞いなのに選択式なんだ。じゃあ小さいのを」
新人「はいバファリン。頭痛に効くんですよ」
部長「そんな常識をさらっと…医者からカロナール貰ってるからねおれ」
新人「じゃあ中にしますか?」
部長「なんなの?」
(新人無言でバナナを取り出すので部長が無言で制する)
新人「おっきいのは!新人の母手作りの鍋焼きうどんです!」
部長「気が効くじゃないか幸い食欲はあるんだよね鍋焼きうどんとか普段食べないし」
新人「部長の家探し出すまでに二時間かけました!(得意そう)」
部長「ああ〜」
(もはや何を咎めて良いのかわからなくなった部長、そのまま瞼を手のひらで覆い、立ちくらみにすうっとその場に座り込む。新人的にどうリアクションしていいのか解らずに部長の頭頂部のつむじにバナナを差し込んでいる)
「イルミネーション」
新人「というと何を思いつきますか?」
部長「ハンタのキルアのヤバい兄ちゃん」
新人「あ、そっちを…」(何故かやや後退る)
部長「俺は本来スケットダンスとかウィッチウォッチののんびり日常漫画層なんだけど、ネーミングがイルミだともうイルミしか思いつかねえわ。」
新人「最近は連載で女性キャラ陣が大きく動いてますね、っていうかほぼ女性キャラターンですね。」
部長「ちょっと少女漫画テイストの絵柄にシフトしてて、あれキャラメイクなのかね?でもあの今仲間にされちゃった女の子可愛いんだよね俺的に」
新人「あー部長的にはそっち…わからないでもない(作者注:部長はとにかく元気に活動するキャラが好き)私は根性ガンギマリの王女の方がですね、それよりセンリツフラグ案件も…」
(何故かハンタで好みの女性話や恋バナになってそのまま訳もわからず盛り上がる2人であった)
手を繋いで」
新人「なんとなくgoo辞書を検索して間を持たせようと努力してましたが、ふと思い出しましたよ小学校低学年の遠足!」
部長(何故か吹き出す)
新人「3年生だったか、6年生だったか、おにいさん学年が連れ歩いてくれるんですが、手を繋ぐのが義務なんです。」
部長「皆まで言わずとも解るぞ…(ブフゥ
新人「知らん歳上と無理やり手を繋がされる両者は緊張のあまり汗がベトベトと、最早どこに行って何をしたかも覚えておらず、ただ無理やり繋がされた手がベタベタと気持ち悪いなって!」
部長「俺はその昔、おまえんちの学校区内に住んでいたんだよ。そしておれはお前の2学年上だ。
この意味がわかるか?」
新人「これは飛んだ地雷を踏んでしまいましたね!」
(両手を部長の方に差し出して非難から逃れるかのように、さながら押し寄せる波を拒むかのような仕草で部長に怒られるのを目を閉じて待ち受ける新人であるが、猫のようにギュッと目を閉じる新人が面白いので部長は黙ってそっと舞台を立ち去る。ひとり両手を盾にして雷が落ちるのを待ち続ける新人であった)
夢と現実」
最近区別つかないんですよね。
ええと、戦争に踏み切る独裁者がたくさんいる方の世界が現実でしたっけ?
私の夢の中では推しが歌を歌ってくれてそれは平和な世界なんですが…
これなんとかして逆に出来ませんかね?
部長「小さい事からコツコツと」
新人「独裁者の骨と推しの骨を少しずつ入れ換えるんですか?」
部長「お前時々頭のネジがキレまくってとこ、俺としては見どころがあると思ってるよ(堪らず吹き出す)