わたしの夢は世界が平和になること。
心の底からそう思っている。
人が笑顔で暮らせる、無差別に残酷なことがない世界。
そんな平和な世界が夢。
でも、現実は夢とはかけ離れていて。
わたしがどう足掻こうとも夢は叶わない。
みんなさ、武器を捨てて手を繋ごうよ。
やってみようよ。
今ある残酷な現実を、
平和な世界にするための夢を叶えようよ。
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夢と現実
「ごめんな」
病室の一角。私の恋人は不意にそう言った。
どうして急にそんな事を言い出したのかは十分理解できた。
恋人は末期の難病で、もういつ彼方の世界に逝くのか分からない状態だった。
「僕が死んでも悲しまないで。新しい恋人を作って結婚して、子供を作って幸せになって欲しい」
弱々しいその声に私は俯くしかなかった。
「さよなら、だ」
それが死期を悟った恋人の言葉。
「さよならは言わないでよ!」
思わず大きな声を出してしまった。だけれどその声は震えていて。
恋人は少し驚いたように目を丸くしたあと穏やかに笑った。
「…ごめん。じゃあ…もしも僕が生まれ変われたら…」
"今度は君を絶対に幸せにするから"
そう言って彼は深い深い、一生目を覚ますことのない眠りについた。
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さよならは言わないで
死にたい、と思ってしまう。
でも、反対に死にたくない。生きていたい。ともおもってしまう。
死にたい、という感情が闇ならば
生きたい、と言う感情は光なのか。
今日も、光と闇のその間で苦しい日々を送るのだ。
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光と闇の狭間で
私と貴方の間には
心理的にも身体的にも距離がある。
私が貴方の心に手を伸ばしてもその距離は
1ミリだって縮まらない。
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距離
「お願いっ…!死なないでっ…!私を残して逝かないでっ…!!」
顔から出る全ての体液を流しながら必死に僕に縋り付く彼女。
そんな顔は見たくなかったな。
「泣かないでよ…」
もう助からない。それは僕も、そして彼女自身も分かっていた。
「君は…幸せに、なるんだ…。だか、ら、僕のことで…泣かないで…」
重い腕を必死に持ち上げて彼女の頭を優しく撫でる。
「っっ!!そんなのっ!貴方がいなきゃっ!私は幸せになんて…!」
寒い。眠い。
「ごめん、ね」
そして全身から力が抜けた。
「うぁぁぁぁぁぁぁっっっっーーーーーー!!!!」
最後に聞いたのは、彼女の叫び声だった。
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泣かないで