私のお守りだった手紙。
唯一私の病気のことを知って理解してくれてそれなのにいつもと変わらない態度で接してくれた大事な大事な友だちからの手紙。
大切にしていたのに無くなってしまった。何回も何回も何回も部屋を見たけれど無かった。まだ隙間とかに入り込んでるかもしれない。それでも見つけきらなかった。
辛い時、しんどい時、苦しい時、必ずその手紙を読んで涙を流した。心を軽くしてくれた。
それなのに無くしてしまった。管理が甘かったと言われればそれまでだけど。
今は県外にいて仕事も忙しそうで結婚を考えてるほど大切な人ができた友だち。
そんな友達にもう迷惑もわがままも言えない。
学生時代とは違う。
ねぇ、私の大切な大切な友達からの手紙は…手紙の行方は……どこなの。
早く帰ってきてよ。私も全力で迎えに行くから。
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手紙の行方
貴女が好きです。
でも、貴女は遠い遠い人。
触れてはならない人。
どうして、同性を好きになったんだろう。
私のこの手は貴女には届くことはない──────
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遠く…
君には渡したその花は
僕の髪色と同じ色で。
そして、造花だった。
枯れることのない花。
これで君はこの花を見る度に僕のことを思い出してくれるよね?
呪縛とも取れるこの枯れない花は、まさに。
永遠の花束だ
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永遠の花束
「お願いだよぉぉ!!!」
「えぇ〜…」
私は旦那のお願いに困惑した。
これ以上、やさしくしないでとは流石に引いてしまう。
「もっと強く!!」
涙目でそう訴えてくる旦那にある一種の恐怖を感じる。
もう……
「やさしくしないで、もっと強く叩いてくれ!そして、ブタ野郎って蔑んで!!」
ドMの旦那と普通の私。
最初は仕事を頑張ってくれているから仕方ないと思っていたけれど…
毎夜、そう言われれば流石に…
「……離婚しようかな…」
ボソリとそう呟いてしまった…。
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やさしくしないで
お前に渡せずに、棚の奥に隠した手紙があるんだ。
いつか、渡せるその日を待っているよ。
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隠された手紙