貴方が旅立ってから何十年経ったかしら?
私も、漸く貴方の元へ行ける。
子供も大きくなって貴方が待ち望んでいた孫もできて…。
もうその時は貴方はいなかったけれど、とても可愛かったわ。
温かくて幸せな時間だった。
でも、どこかポッカリと胸に開いたような時間だった。
きっと貴方がいなかったからね。
でも、漸く貴方の元へ。
その時はまた周りからおしどり夫婦なんて言われるくらい二人で支え合って過ごしていきましょうね。
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あなたのもとへ
寒い寒い雪の降る日。
マフラーを巻いていても、鼻が真っ赤に染まる君と同じベンチでイルミネーションを見ていた。
ふと、君がベンチに手をついている事に気づいた。
その手は真っ赤な鼻と同じくらい真っ赤で寒いのがひしひしと伝わってくる。
彼女への恋情は伝えていない。
でも、これだけは許してほしい。
そっと、自分の手のひらを重ねた。
彼女はそれに気づくとこちらを向いて、えへへ、と嬉しそうに笑った。
その笑顔、その反応に期待してもいいのかと思ってしまう。
だけれども、臆病な僕は結局、想いを伝えられずに、そっと君への想いを胸に押し殺した。
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そっと
甘い甘い貴方と、
まるで夢のようなあの続きを、
もっと見ていたいの。
だから、お願い。私を夢から醒さないで。
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あの夢の続きを
寒い冬空の下を歩いていると後ろからタッタッタッと誰かが走りながら近づいてくるのがわかる。
振り向いた瞬間にピタリと頬に温かいものが触れる。
「えへへ!今日、寒いからココア!あげる」
君は鼻の頭を真っ赤にしてお日様のように笑った。
「うん。あたたかいね」
そう言って無理に遠慮せずココアを頂く。
隣に並んで歩く彼女を横目に見ながら、
(本当に…あたたかいね)と
もらってすぐに飲まなかった為少しばかりぬるくなったココアを飲みながらそう思った。
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あたたかいね
勉強なんて将来いらない。
数学も国語も英語も科学も社会も。
習う意味なんて分からない。
使うとしても大学受験や何かしらの受験の時だろう。
と、思っていた。
だが、大人になってみてこれほどまでに勉強が役に立つなど思ってもいなかった。
今となれば後悔しかない。
そう、勉強はまさに
"未来への鍵"
なのだ。
だからな、学生諸君。嫌なのは分かる。もちろん使わないところだってたくさんある。
だけど、必ず君たちを助けてくれる。
だから、今!一番、未来への鍵を取りやすい今を!大事に使っておくれ。
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未来への鍵