好きな人が、本をくれた。
「これ、面白かったから読んでみない?」
小説を読むのが苦手な私は、読むかどうか悩んだ。
「読むの遅くなってもいい?」
私は本を受け取った。
その日からあっという間に2週間が経過していてしまった。
仕事の忙しさが、本を読むのを後回しにしていた理由。
その日は酷く疲れていた。
部屋の隅に座り込むと、雨が降り出す音が聞こえた。
何となく、君が本を読むなら今だよ、なんて言ってるような気がして、小説を手に取った。
その本の主人公は、私みたいな人だった。
自信がなくて、いつも投げやりで、人間関係に悩む女の子の話だった。
その物語は、とても心に刺さって、最後は幸せを掴むお話だった。
私もこんなふうになれたらいいなと思ったけど、私じゃ無理なのかもと、やっぱり自分に自信がなかった。
“本、読んだよ、泣いちゃった”
彼にメールを送った。
するとすぐに電話がかかってきて、「どうだった?俺の小説」そう言った。
なんと彼は小説家だった。
私をイメージして書いたらしい。
「私もこんなふうになれるかな」
私はティッシュで涙を拭きながら言った。
「なれるよ、俺が幸せにしてやる」
それを聞いて、私は嬉しさに心が踊った。
もらった小説は、私の好きな本になった。
『すきな本』2024.06.15.20:01 天野沙愛.
『届かぬ想い』
ねえ、君はどう思ってるの?
君の優しさで、私は恋に落ちた。
なんで優しくするの?
相手がいるんでしょ?
私のこの想いは、伝えてはいけない。
だから今日も明日も、ずっっっと 友達ね。
伝えなければ、友達でいられる。
仲のいい友達として、これからも笑って過ごせる。
泣くのは今日で終わりにしよう。
ごめんね、好きになって。
大好きでした。
『届かぬ想い』2024.04.15.天野沙愛.
人生の終わりがハッピーエンドである確率を、考えたことがあるだろうか。
自分の人生に選択する道があるとする。
そこには複数の道が目の前にはあって
失敗した方の選択肢は、失敗してからじゃなきゃ分からないはずで
成功した方の選択肢も、また同じように成功しないと分からない。
人生において、成長したなと思えるためには、努力が必要で
努力してる最中は、辛い思いをすることもあるだろう。
だが、それを乗り越えた先から、後ろを振り返った時に
歩んできた道の過酷さと長さを見れば、成長したことがあわかるだろう。
ハッピーエンドにするためにも、難易度の高い人生を歩んでいる時の方が
より、幸せを感じるのではないかと私は思う。
『ハッピーエンド』2024,03,29,天野沙愛.
『My Heart』
自分の心をさらけ出すのは、勇気がいるかもしれない。
好きな子に伝える自分の気持ち
友達と語り合う自分の本音
全て自分の心が、経験が、私を動かす。
今の私は何したい?自分の心に聞いてみる。
好きなこと、したくないこと、自分の心は、素直に答えてくれる。
そう、私だけが知っている。 My Heart
『My Heart』2024,03,28,天野沙愛.
子供の頃、母に連れられて買い物に付いていくことが多かった。
僕は、いつも好きなお菓子を2つだけ、買ってもらっていた。
その日は電化製品が壊れた為、電気屋さんに行くことになった。
今でもその日のことは覚えてる。
おもちゃ売り場が、そこにはあったんだ。
好きな戦隊モノの、赤色のセンター。
物凄く欲しくなって、「これ買って」もちろん言った。
「家にたくさんあるでしょ」って言われた。
同じじゃない、全然違う、サイズも違うじゃないか。
これがいい、これが今欲しい。
そう思った。
聞き分けのいい子供でいたつもりだった。
「なんでだめなの?」
「そんなものに今使うお金なんてないわよ」
僕の家は、貧乏だった。
ただでさえ、お金ないのに、家電製品が壊れた影響で、そんな余裕はなくなった。
だが、子供の頃の僕は、そんなこと分からなかった。
怒られるがまま、耐えるしかなかった。
─────だから大人になった今、買おうと思えば買える。
でも、その当時欲しかったこと、買ってもらえなかったこと、その時の聞きたくない言い訳、今でも覚えてしまってるよ。
自分の子供には、そんな思いしてほしくないなと思うね。
僕のように我慢はさせたくない。
嫌な気分させたくない。甘やかし過ぎだろうか。
それでも好きなもの持たせてあげたい。
ないものねだり、尽きることはないだろう。
『ないものねだり』2024,03,27,天野沙愛.