2024 5/20(月)
ねえ、知ってる?
道を踏み外した先に、底のない深淵があるそうだ。それはまるで、凹凸のない壁が無限に続いているようで、慌てて重力に抗って掴もうとしたとて、手はするりと空振るだけ。そうして、気付いた時にはもう戻れないところまで堕ちている。
終わりの見えない暗闇にたった一人で立ち尽くし、前も後ろも分からない。
たとえ正気だとしても、決して光を見る事はない。
理想は遠く、願いは叶わない。
人はそれを────絶望という
過去の自分が今の自分を見た時、どう思うのだろう。期待外れだと失望するのか?
思い描いていた理想を現実にできなかったことを悔やむのか?
分からないけど、でも、やっぱり。
まだ私は、理想のあなたになりたい。
銃弾に胸を撃ち抜かれる程の絶望を与えられたりする毎日でも、
それでも、やっぱり理想を追い求めてしまうのが人間なんじゃない?
絶望して暗闇に堕ちたとて、諦めず自分の力で這い上がれる人こそが理想を実現できる者なのかもしれない。
大丈夫、踏み外してもまた
理想を思い描いて、諦めないで。
理想は、きっと貴方を守る人生の武器になる。
#25 理想のあなた
2024 5/14(火)
思い切り享楽した後には必ず、
失ってしまった時間を取り戻す努力をすること。
きっとそれが大事なんだと思う。
遊ぶことは決して悪いことでは無い。
その後の行動によって、善し悪しが決まるのだ。
#24 失われた時間
2024 5/13(月)
「早く大人になりたい」
と、心底願っていたのが今となっては馬鹿馬鹿しい。しかし、当時子供だった私の心の中には、確実にその願いが宿っていたのだから、なんとも言えない。
あの頃、大人は私たち子どもの見る世界とは随分違う世界に生きているように思えた。
欲しい物は自由に買えるし、大人の許可なんかなしに公園で遊べるし、大人に酷く怒られることも無い。いつか私が大人になったら、自分でお金を稼ぐようになって、高級車と立派なお家を買うんだと思っていたし、大人になったら恋愛をして結婚して、子供ができるのだと思っていた。
そしていつかは年老いて、幸せに死ぬのだとも思っていた。
しかし今はどうだ?
私は、あの頃思い描いていたような大人にはなれていない。
描いていた大人とは随分かけ離れた大人になってしまった。なんだ、こんなものか。
現実はゲームのように上手くはいかない。そんなネガティブなことを、会社終わりに寄った公園で考えていた。
「子供に戻りたい」そう静かにボソリと呟いた私の横で一人の少女が、私を羨ましそうな目で見ていた。
「おねえさんは、いいよね」
「……どうして?」
「もっと遊びたいのにね。帰らないとママに怒られちゃうから」
「……そっか」
少女の言葉に、私は何も答えることが出来なかった。ただ、ブランコから下りて、公園を走り去っていく後ろ姿の少女のランドセルが、妙に輝いて見えた。
子供は大人を羨ましく思い、大人は子供を羨ましく思う。
人はみな、自分の都合に良いように理想を描いて生きているのね。
#23 子供のままで
2024 5/12(日)
ピンクが映えるカーネーションと1枚の手紙
互いの愛を確かめるのにはそれで十分だった
そもそも、母との愛は言葉なんかじゃ語れない
#22 愛を叫ぶ
2024 5/10(金)
忘れるわけがなかった。
たった一枚の柔らかな写真が
簡単に私をあの頃に連れ戻してしまうの
#21 忘れられない、いつまでも