死んだ人の数だけ星があるんだよ
昔誰かに言われたんだ
そうか、死んだら星になるのか
星空が綺麗な夜に
何度手を伸ばし願った事か
願うだけでは叶わないと
身に沁みて理解したのはその頃だった
星が今日も光るから
僕はただただ目を閉じる
暗闇だけが僕の味方だ
強がる僕をどうか照らして
繊細だと分かっているから
ひとつも目が離せなかった
雨の日には傘を差して
止むまで隣に座って
灼ける日差しの日だってそう
座る僕の背中の影が貴女を守った
風が強くて寒い日の
翌日に傷が付いていて
花びら一枚散っていた
何度も、何度も、謝った
綺麗で儚い色をした貴女の事
本当は分かってたんだ
形があるモノは全て壊れる運命だと
本当は分かってたんだ
なのになぜ僕は守ろうとしたんだろう
どんなに大事にしてたって
貴女は僕に傷をつけて
一人笑って逝くのに
繊細な花ひとつ、鈍感な僕一人、
得るものと失うもの
どちらが多かったかなんて
今更どうでもいいんだろう
ただ確かに貴女はここに居たこと
僕は確かに貴女とここに居たこと
忘れさえしなければ
別れさえどうでもいいんだよ
そのうちきっと良い事があるよ
これまでやってきた事に
無駄な事などなにも無いのだから
やっと報われる時がきたんだよ
散々傷つかないフリをして
必死に隠れるように泣いた日も
見てくれてる人がちゃんと居たんだよ
もうこの先何も心配ないんだよ
これからは毎日が笑顔に溢れて
これからは何があったって
ちゃんと乗り越えて楽に生きれるんだ
僕はなんて幸せ者なんだろう
なんて
今日はエイプリルフールだっていうからさ
許されるからって
ただただむなしいだけだね
…やっぱり自分にだけは嘘をつくもんじゃないな
誰のせいでもない
なにかのせいでもない
その理をどこかにぶつける事もできず
そんな不条理だらけの数々は
やがて後味の悪い過去になり
それを懐かしめるか引きずるかは自分次第
そう、不条理と思うかは自分の心次第
結局自分のせいにされてしまうのだ
あの時こうすればよかった、とか
しなければよかった、とか
たとえば僕の中にあるのは
引きずる事さえできない
ちりのように積もっていく後悔だけ
ただ眺めては
どんどん山のように高くなるそれを
睨みつけているだけで
乗り越える事はできないのだ
いや、もう乗り越えようともしてないんだよ
いつかその隙間から光が差すことを
心のどこかで少しだけ期待して
そんな甘い事ばかり考えている
不条理な事に嘆く必要はないよ
どうせ自分のせいになるのなら
戦えるなら戦えばいい
戦えないのなら逃げればいい
誰も責めやしないよ
それが自分の為になるのなら
そう自分に言い聞かせて
何度も、何度も、言い聞かせて
穏やかで何事もなく
何の心配もなく
別に幸でも不幸でもなく
平凡に生きたいだけなのだ
なのにそこに荒波を立てるのは
社会なのか時代なのか
それに抗う僕自身なのか
どうなるんだろうね、この先
安らかな瞳で笑う人なんて僕は見たことがない
どんなに優しい人でさえ
どんなに羨ましいと思う人でさえ
瞳の奥に僕の知らない
苦しみや悲しみが滲んで見えるから
死んだ後にしか安らかになれないなら
いっそもう死んでしまおうか、
何度それを望んだ事だろう
生きる意味などないのだと
誰かは言うし
死にたい理由は山程あるのだと
誰もが言う
もしかしたらそれが普通なのかもしれない
穏やかに、安らかに、
そう望む事自体異常なのかもしれない
もしそうなら
瞳の奥ではなく先に
何かを見出す事ができるんだろうか