ノーネーム

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繊細だと分かっているから
ひとつも目が離せなかった

雨の日には傘を差して
止むまで隣に座って

灼ける日差しの日だってそう
座る僕の背中の影が貴女を守った

風が強くて寒い日の
翌日に傷が付いていて
花びら一枚散っていた

何度も、何度も、謝った


綺麗で儚い色をした貴女の事
本当は分かってたんだ

形があるモノは全て壊れる運命だと
本当は分かってたんだ

なのになぜ僕は守ろうとしたんだろう
どんなに大事にしてたって
貴女は僕に傷をつけて
一人笑って逝くのに


繊細な花ひとつ、鈍感な僕一人、

得るものと失うもの
どちらが多かったかなんて

今更どうでもいいんだろう

ただ確かに貴女はここに居たこと
僕は確かに貴女とここに居たこと

忘れさえしなければ
別れさえどうでもいいんだよ

6/25/2023, 11:03:00 AM