未来というとネガティブなイメージがある。正確には、未来といえばポジティブに考えなければならないという風潮に嫌悪感がある。「未来のことはわからない」とは皆言うのに、皆こそテキパキと判断を下し、それに向けて頑張れている。確かに、目標や進路を決めないとふらふらと苦しむのは自分だ。それでも決めたら決めたで責任を問われ、悪い時はとやかく言われるのが、心底苦手だ。
強いて言えば。
ぐーぐー寝て、だらだら働いて、むしゃむしゃ食べて、タプタプSNSして、じいっと映画見て、ダメだな。人生はいつも「このままが一番いい」と思っている。今が続いてほしいと消極的で傲慢に願ってしまう。本当の未来なんて、ポジティブでもネガティブでもあるのだ。許してほしい。
1年前の私と大分変わった。という話は長くなるから、テーマからズレるが。
最近気づいたのは「点と点が線になること」と「線は地続きだということ」。一日一日を積み重ねて今日になっていて私を作っている。令和になっても平成の文化が消えるわけでもないし、今の時代を作る人には当然昭和・平成生まれの人がいて、子々孫々に意思は引き継がれる。
名前を付けたり区切ったりすると、簡単に分けてしまって、本質がわからなくなることを実感した。
好きな本、わからない……
「これ絶対見えないよー」
「まだわからないよ?」
女二人で山を登る。お目当ては…
「「あー」」
テラスに着いてシンクロした。
霧だらけでも、私達は手を繋いで進んだ。
「うーん見えないね」
「見えないねー」
顔を見合わせて、吹き出した。
ヘアセットを崩したまま自撮りも撮った。
雲みたいなアイスを食べていると
霧が若干薄くなって雲が見えた。
正直、感動は薄い。
あいまいな空、雨の日の雲海。
ぜったい忘れない。
「リベンジしよ!」
「ね!」
玄関から出たら土埃の臭いがした。
これから始まるのではなく終わった気配だ。
俺は折り畳み傘を仕舞い、市街地まで歩き出した。
高く昇った太陽も今は目も当てられない。
視界が濁る中、白や赤の人工の光が脳を揺らす。
前をじっと眺めていると、俺は目を見張った。
鮮やかな化け物がいる。
やがてそれが集合体だと分かった。
緑の中にまばらに在る青や白は、花だ。
それがお前の本当の姿なのか。
一息ついてまた歩き出すと、水溜まりに靴を沈ませた。
泥水の中で、綻んだ顔が映っていた。
いつしか雲間から光が差していた。