past love story by Lily

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5/2/2024, 9:59:58 AM

色とりどりの花が咲く

春の芽吹きの中で

きみは ゆっくりとお別れの準備をしているね

思い出を辿れば 愛らしいエピソードばかり

きみと出逢って

わたしの世界は 鮮やかに彩られた


きみがいなくなったら 目に映るすべて

モノクロと化すだろうけど

きみがいた日々は ずっと ずっと

色褪せない



◇カラフル◇

4/29/2024, 4:52:06 PM

拝啓 貴方様

10年前の11月、
あなたといっしょにお迎えした可愛い娘が
もうすぐ虹の橋を渡ってしまいそうです。

愛娘は最初 わたしよりもあなたに懐きましたね。
可愛いハントの姿を 愛娘に見つからないように陰からよく覗いたものです。

1歳を迎える前に 愛娘はFIPを患ってしまって
ふたりで悲しみに暮れましたね。
でも愛娘は 投薬が体に合っていたのか
FIPと共に9年このお家で元気に過ごしてくれました。

それが昨年12月 悪性リンパ腫が見つかって
治療で2回寛解したんだけれど
耐性ができてしまってからは もう治療も強制給餌もしていません。


あなたとは 一緒に暮らした時間がそんなに長くなかったけれど
やっぱりこの子は あなたとわたしの愛娘だから
知る権利は あるのかなって。

でももう 伝える手段がないの。

こちらにも 新しいパパがいるし。

でもあなた、たまに想ってるでしょう?

子供たちは元気かなって。

わたしとは 連絡するだけの用事も関係性もないけれど

子供たちのことは 知りたかったよね。

いま あなたに届くように 願っています。
届きますように。



◇風にのって◇

12/18/2023, 4:16:55 PM

ねー寒いから炬燵のスイッチつけてー


今日は鍋にしよっか!


‥やっぱまだ寒いからストーブもつけていい?


あんた、炬燵入るの?
はいどーぞどーぞお猫様


おふとん寒いよー
早く入ってきてよー


む‥今日は乗ってくるのねお猫様
どーぞどーぞ



冬は寒いからみんなで同じとこにいよーね



◇ふゆはいっしょに◇

12/18/2023, 1:39:42 AM

朦朧と熱にうかされて

いつもは意識してみることのない天井を

いつもなら聞かないアナウンサーの声を聞きながら見てる

この時間帯のテレビはこういう時にしか目にしないから、なんか、休んでるな〜って感じ

台所や脱衣所で朝の家事をしている音が聞こえる

それがひときわ非日常の空間にいることを感じさせた

やることもなく、眠ろうとしても薬の味や水の味が胸から消えないばっかりに気持ち悪くて寝付くこともできない

なんか食べる?と聞かれ

わたしは「桃缶」と答えた

りんごジュースと桃缶 それと

布団をトントンしてくれる手が

風邪っぴきの定番



◇風邪◇

12/15/2023, 12:04:00 PM

真っ暗な空から 音もなく

大粒の牡丹雪が 見渡すかぎり一面に

地面へと降り注いでくる

さながら 地球侵略に来た

たくさんの侵略者のよう

一定のスピードで 待ったなしで

重力ってやつで降りてくる

しんしんと降り注いでくる世界には

音がない

まるで ひとりぼっちのよう

自分の世界に浸っていると

いつの間にか あなたが雪をはらってくれる

帽子をかぶっていないわたしの頭は

はらわれる度 細かく砕けた雪が

髪の間に隠れて 体温でとけて髪を濡らしていく

もう家に入ろう、と あなたから促されて

名残惜しくも その場所を後にする


また あんな風に 雪が降ってきたら あなた

時を越えて 今のわたしの頭に積もった雪を

はらいにきてくれる?



◇雪を待つ◇

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